アラビカとロブスタのコーヒー豆

最近では「アラビカ種100%」を売り物にするカフェも多くなった

次はコーヒー豆について。コーヒー店では「アラビカ種100%」をアピールしているところも多い。アラビカが高級な品種、ロブスタは安価な品種という認識が広まり、アラビカとロブスタを同列で考えることも多いように思う。しかし、この解釈にはちょっと注意が必要。そもそも、アラビカは「種」であるのに対し、ロブスタはカネフォラ種という「種」の中の1つだ。カネフォラ種という名前より世の中に知れ渡っていったため、このような現象が起きているのだろう。

また、ロブスタは安価ながらも実は私たちの食生活と密着なかかわりを持つ。主に缶コーヒーやインスタントコーヒーなどで多く使われているからだ。

コーヒーは灼熱の国で育つ?

コーヒーの栽培国といえば、ブラジルやジャマイカ、インドネシアといった南米、中米、東南アジアの国々が有名。どこも日本より気温の高い国々で、皆さんの中には「コーヒー豆は灼熱の太陽の下で育つ」と思っている人もいるかもしれない。しかしこれは間違いで、昼間は気温が高くても湿度が低く、夜は涼しいといった人間にとっても過ごしやすいような環境が栽培に適している。また、直射日光も実は大敵で、そのためにシェードツリーという日傘代わりの木をコーヒーの木に周囲に植えたりもする。

インドネシアのコーヒー農園。コーヒーの木の周りに、それより背が高いシェードツリーが植えられている

コーヒーを頼むと玉子とトースト無料!?

モーニングの時間帯に、コーヒーをオーダー。すると、頼んでいもいないのに茹で玉子とトーストが付いてきた……。ここまで話せば、喫茶店好きならどの店か分かるかもしれない。名古屋の有名喫茶店「コメダ珈琲店」のことだ。1968年に愛知県名古屋市で創業した同店は、最近では関東や関西にも進出し、勢力拡大中。

名古屋発のコーヒー店「コメダ珈琲店」。モーニングの時間帯は、ドリンクを注文するとトーストと茹で玉子が無料で付く

その特徴はメニュー構成にあり、オープンから11時までの時間帯はドリンクの料金のみでトーストと茹で玉子がサービスされる。なんとも太っ腹なサービスだ。他には小倉トーストやエビフライなど、名古屋名物の多く揃う。店舗は大型店が多く、ファミリーレストランのような雰囲気だ。

松阪牛より高いコーヒー豆がある!

こちらがUCC上島珈琲が2010年に発売した「ブルボン・ポワントゥ」

高級和牛として有名な松阪牛。美しい霜降りが入った肉ともなると、100g5,000円以上というものも珍しくない。しかし、これより高価なコーヒー豆があるのだ。UCC上島珈琲が1年に一度数量限定で販売している「ブルボン・ポワントゥ」。こちら、2010年に発売されたときの価格は100g8,000円。筆者も飲んだことがあるが、やわらかな甘い香り、すっきりとクリアな味。カフェイン含有量が少なく、他のコーヒー豆とは一線を画する繊細な味わいが特徴的だった。

いかがであろうか。「そうだったのか」という意外は発見はあっただろうか。コーヒーの世界は奥深く、ここでのお話はまだまだほんの入り口。抽出技術を極めていくもよし、コーヒー豆の種類や栽培方法を勉強していくもよし。興味のあるジャンルの知識を少しずつ蓄えていけば、もっとコーヒーが好きになることだろう。