中島氏は、「腕時計のメリットは3つある」と話す。両手が自由になる、バイブレーションで注意を促してくれる、常時装着しているのでパッと文字板を見られる、という3点だという。この利点を生かすアプリケーションを作ることで、腕時計の価値をさらに高めたい考えだ。
Bluetooth Low Energyを搭載した腕時計を「スマートウオッチと位置付け、スマートフォンのいいパートナーとなる時計にしたい」(奥山氏)と話す。さまざまな用途を拡大するために、スマートウオッチのAPIは公開することを検討しているそうだ。セキュリティを考慮しながらAPIを一般あるいは提携した企業などに公開するといった方向性を考えているそうで、カシオのみならず、いろいろな業界と連携して幅広い展開を目指したいという。
「時計のような成熟産業では、絶えずマーケットを刺激し続ける必要がある」と中島氏。Bluetooth Low Energyを搭載することで新たな刺激となることに加え、「新たな市場ができる可能性もある」と期待を寄せる。
気になる対応製品だが、現行のBluetooth 3.0からBluetooth 4.0に移行する過程で、Bluetooth Low Energy対応機器は自然と増えてくる見込みだという。対応機器が拡大し、アプリケーションが増えることで、さらにBluetooth Low Energyは進化する。
「人に(情報の到着を)伝えるという意味では、腕時計が一番優れている」と話す中島氏は、「今までになかった発想の製品なので、腕時計以外の分野でもビジネスを広げたい」との目標を掲げている。