既報のとおり、米AMDは、"Antilles"の開発コードネームで知られていたDirectX 11世代のGPU「AMD Radeon HD 6990」を発表した。"Cayman"を2基搭載する構成から、Radeon HD 6000シリーズ最高の性能を備えることは間違いないだろう。これのリファレンスカードを入手できたので、さっそくその実力を試してみたいと思う。
なお、今回のテストは僚誌「PCfan」と共同で行った。テストの内容は2011年3月24日発売の「PCfan5月号」でも掲載予定なので、そちらもご注目いただければ幸いだ。
さて、まずはRadeon HD 6990のスペックから確認しておきたい。主なところをまとめると、GPUコアの製造プロセスは40nmで、コア1個あたりのサイズは389平方mm。ストリームプロセッサ数が3072基(1536基×2)、テクスチャユニット数が192基(96基×2)、ROP数が64基(32基×2)、コアクロックが830MHz、メモリクロックが1250MHz(データレート5000MHz)。メモリタイプはGDDR5 SDRAMで、容量は4GB(2GB×2)、接続バス幅は256bit。補助電源コネクタは8ピン+8ピンの2系統で、消費電力は最大375W以下となっている。
Radeon HD 6990は、ちょうど、シングルGPUのRadeon HD 6970のクロックダウン版を2基搭載したような構成になっていることがわかる。以下に、関連しそうなRadeon HDシリーズの主なモデルをとりあげ、仕様を比較した表を掲載しておこう。
GPUモデル | HD 6990 | HD 6970 | HD 6950 | HD 5970 |
---|---|---|---|---|
コードネーム | Antilles | Cayman | Cayman | Hemlock |
製造プロセス | 40nm | 40nm | 40nm | 40nm |
ストリームプロセッサ数 | 1536×2 | 1536 | 1408 | 1600×2 |
テクスチャユニット数 | 96×2 | 96 | 88 | 80×2 |
ROP数 | 32×2 | 32 | 32 | 32×2 |
コアクロック | 830MHz | 880MHz | 800MHz | 725MHz |
メモリクロック | 1250MHz | 1375MHz | 1250MHz | 1000MHz |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
メモリ容量 | 2GB×2 | 2GB | 2GB | 1GB×2 |
メモリ接続バス幅 | 256bit | 256bit | 256bit | 256bit |
補助電源ピン | 8+8 | 8+6 | 6+6 | 8+6 |
最大消費電力 | 375W | 300W | 225W | 294W |
ベンチマーク環境
今回は、「Radeon HD 6990」のほか、性能比較用に「Radeon HD 6970」「Radeon HD 6950」「Radeon HD 5970」の各カードを用意した。ライバルNVIDIAのGeForce GTX 580との比較は、こちらのCaymanレビュー記事のベンチマーク結果から類推いただきたい。ほか、主なテスト環境はIntel Core i7-2600Kを中心とした以下の表の構成となっている。なお、テストの際、CPUが備えるEISTなどの省電力機能、Turbo Boost機能は無効に設定している。
■テスト環境 | |
CPU | Core i7-2600K(3.40GHz) |
---|---|
M/B | ASUS P8P67 Deluxe(Intel P67 Express) |
Memory | DDR3-1333 CL9 8GB(2GB×4) |
Storage | Crucial RealSSD C300(64GB、SATA 6Gbps接続) |
OS | Windows 7 Ultimate 64bit版 |