こうした機能などの追加/改善により、「OEMおよび開発者は6つのメリットを享受できるようになった」という。1つ目はパフォーマンス(性能)であり、マルチコアのサポートによる高性能化が可能となる。これまでのCEでは1コアだけでOSの性能を測らざるを得なかったが、組み込み分野で中心となっているARMコアでも2コアや4コアが当たり前に用いられるようになってきており、標準としてサポートしたことで、より効率的にアプリケーションを活用できるようになったという。

Windows Embedded Compact 7を用いることでOEMおよび開発者が得られる6つのメリット

2つ目はコネクティビティ(接続性)で、DLNAなどの標準サポートのほか、有線/無線問わずにネットワークへ容易に接続できる点が強調された。

3つ目は柔軟性で4つ目がスピード、5つ目はサポートで6つ目は端末の競合優位性としており、これらの点に関し松岡氏は「カスタマが我々を選ぶには3つの要因がある。1つ目はWindowsというOSがアプリやツール含めて触れやすいものであるということ。2つ目が世界で一番使われている商用OSであるということで、世界中にサポート拠点を持つことで、地域ごとなどのニーズに応じたサポートや協力が速やかにできる。3つ目が開発ツールがシンプルでこなれていて、使いやすいということが挙げられる」とし、オープンソースでも、ドキュメントを探してオンラインで解決できるということはないこともないが、MSDNなどで提供しているドキュメンは他に比べて、特に組み込み分野ではかなり整備されていると思っているとしたほか、開発ツールの使い勝手やSilverlightを用いたユーザーインタフェースなどもメリットとなるとした。

ちなみにCompact 7から、Platform Builderに付随するVisual Studioが英語版のみになったという。これは、そこにリソースをつぎ込むよりも、各種ドキュメントの日本語化にリソースをつぎ込んだ方が良いという判断で、日本語化されたドキュメントの提供がこれまで以上に増えることとなるという。なお、MSDNなどを介して日本語版のVisual Studioの日本語版を入手している場合、社内で日本語版での動作確認はしているため、それを用いて開発を行うことも可能だという。

Windows Embedded Compact 7の180日間限定EvaluationはすでにMSDNのアカウントでダウンロード可能となっているほか、今後、代理店からも入手できるように手配する予定だという。

松岡氏が手にしているのがWindows Embedded Compact 7の180日間利用可能なEvaluation。同様のものがすでにダウンロード可能となっている

また、提供されるSKUは4種類用意されている。パーソナルナビゲーションデバイス(PND)向けの「C7NR」、従来、コアと表現していた標準的な部分のみが提供される組込機器向け「C7E」、Flashなどの搭載が可能でコンシューマデバイス向け「C7G」、すべてを包括してあらゆる用途に活用できる「C7P」となっている。

4種類のSKUが用意されている

最後に松岡氏は「我々はOSを提供しているだけ。ミドルウェアも提供しているが、最終製品となるには、多くのパートナーとの協業が必要」と語り、パートナーとの親密製を強調、「CEはバージョンを挙げるごとにユーザーの要求に答えられるようにジャンプアップしてきており、今回も大きくジャンプアップできたと思っており、特に急増しているARMユーザー向け機能が強化された。CE 6.0など従来のバージョンを用いて開発を検討している人たちも、大きく進化したWindows Embedded Compact 7を使って、より良い製品開発に結び付けてもらいたい」とアピールした。