こうした懸念に応える形で、ノートン モバイル セキュリティでは、盗難・紛失時にSMS機能を使ってリモートロック・リモートワイプを行う機能を搭載。同じキャリアの端末を使い、「lock (半角スペース) XXXX(パスワード)」をSMSで送信すると、同アプリ専用のロックがかかり、パスワードを入力しないと復帰できなくなる。
「locate (半角スペース) XXXX(パスワード)」をSMS送信すると、端末の現在地の位置情報とGoogleマップのURLが返信される位置情報取得機能も装備。「wipe (半角スペース)XXXX(パスワード)」と送信すると、端末内のデータを削除することも可能だ。また、SIMカードを抜いて利用しようとしても、SIMカードがないと本体が利用できなくなる機能も搭載した。
当初は同じキャリアのSMS機能を使うしか方法はないが、今後、キャリアのSMSで相互利用が可能になれば他キャリアのSMSでも利用可能になるほか、「SMS以外の方法で考えはあるので、今後追加していきたい」(シマンテック コンシューマビジネスユニット日本/韓国リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ 風間彩氏)という。
マルウェア対策では、定期スキャン、アプリインストール時のスキャン、microSDカード内のスキャンなど、一通りのマルウェア検知機能を備えており、Live Updateによって定期的に定義ファイルを更新して、常に安全な状態に保てる。マルウェア検知は、定義ファイルベースで行われるが、「まだマルウェアが少ないため、定義ファイルでも十分」(風間氏)という認識で、今後はレピュテーションなどの各種技術の適用も検討していくそうだ。
今回、シマンテックでは独自の販売方法を実施。スマートフォン向けアプリでは珍しく店頭パッケージで、家電量販店で販売する。店頭でAndroid搭載スマートフォンを購入する際に危険性についても説明し、そのまま購入してもらうことを狙っている。パッケージにはダウンロードサイトのURLが記載され、そこからダウンロードしてインストールする仕組みで、一時的にAndroid端末の設定を変更して、Android Marketを経由しないアプリインストールを許可したうえでインストールさせる。
風間氏は、Android Marketには公式にアプリを推奨する仕組みがなく、Android Marketに不審なアプリもあることから、こうした手法を選択したとしており、今後、キャリアの販売店でのパッケージ販売、キャリア公式のアプリ配信サイトからのダウンロードなど、複数の販路に拡大していく。
現時点では早期のリリースを優先しての発売ということで、今後、フィッシング詐欺対策を含め、Live Updateでの機能向上を図っていく。対応キャリアについても、KDDIのサムスン電子製タブレット端末「SMT-i9100」に試用版をプリインストールして出荷するほか、KDDIのAndroid端末にも対応を拡大する考え。OSについても、Android 2.3(Gingerbread)への対応は開始しており、Android 3.0(Honeycomb)にも対応する予定だ。
シマンテックでは、Androidの普及にともない、脅威が拡大していると強調し、PCセキュリティ市場で培った技術とブランドを背景に、安心・安全・プライバシーの保護を目指して今後も機能を拡大、法人向けのモバイルセキュリティ市場にデバイスのポリシー設定や端末管理などの機能を追加した製品を投入していく意向を示している。