「製品の完成度については本当に自信がある」
商品の説明を行ったのは、執行役員 兼 パーソナルビジネス本部長の齋藤邦彰氏。タブレット端末の位置づけについて「通常のPCから、インターネットに特化する形で派生したもので、ネットブックをさらに一歩進めたものといえる」とし、その長所として直感的なタッチ操作で子供やシニアにも使いやすいという点を挙げた。そしてそれを法人市場に展開することにより、新たな市場拡大を見込めるという。
そして法人市場に最適な端末の条件として、「ユーザー資産との高い互換性・親和性、端末導入の容易さ、高いセキュリティ機能、保守・サポート」を列挙。こういった点を踏まえ、「法人向けにはWindowsベースの端末が最適だという考えを明らかにしたうえで、「STYLISTIC Q550」について、「富士通のPCビジネスのノウハウ、富士通の総合力、富士通の持つインフラを最大限に活かして設計した」という。
その具体的な特徴として挙げたのは、ユーザビリティ、モバイル性、ビジネスにマッチの3点。ユーザービリティについては、Windowsタッチにこれまでも積極的に取り組んできたといい、Windowsの機能に加えて富士通の専用アプリを提供することでさらに快適な操作感を実現できているとしたほか、タッチペンの使い勝手、利用者のことを考慮したデザインなども強調した。モバイル性については軽量化・薄型化、約10時間の駆動時間、加えて通信機能やオフィス利用時向けのオプションについても言及。ビジネス用途については、高度なセキュリティ機能とメンテナンス性の高さ、保守・サポートとサービスを紹介した。
「STYLISTIC Q550」の特徴として3つのポイントを挙げた |
1点目はユーザビリティ。専用アプリによるアドバンテージを訴えた |
2点目はモバイル性。重量・サイズ、駆動時間、無線機能がその内容だ |
3点目はセキュリティとメンテナンス性。ビジネス製品としては当然のポイントだ |
富士通がこれまでさまざまなタブレットPCを手がけてきた中、実は初代「STYLISTIC」の設計を手がけたのは齋藤氏だという。その時代から100万台以上の実績があり、北米市場におけるシェアは第2位。「製品の完成度については本当に自信がある」と胸を張った。
個人向け製品でのAndroid採用は否定せず
質疑応答では、「"法人向けはWindows+Intel"ということは、個人向けは"Android+ARM"でよいということか」という質問に対し、「個人向けタブレットでのWindows採用に、起動時間などの弱点があるのは否定できない。セキュリティなどの観点から企業向けではWindowsを採用したが、個人向けでも基本的にはユーザーが望むものを提供したい」と、今後のAndroid搭載の可能性は否定しなかった。また、出荷台数が大きいiPadに対して調達面などで不利ではないかという点については、Windows PC全体のボリュームの大きさを指摘し、とくに不利とは考えていないという認識を示した。
最後にこの製品での出荷目標などを問われると、「日本ではタブレットPCの市場はゼロに等しい。今回はシェアなどではなく、北米ではこういうふうに使われていて……ということを日本のお客様にもわかっていただいて、普及させていきたい」と言い、まずこのジャンルの市場を日本に根付かせ、そして今後のビジネスにつなげていきたいと語った。