スマートフォンブームに活気付く中、今年のMobile World Congressのキーワードの1つが「スマートフォンブームで、オペレータは単なるダムパイプになるのか」だ(ソフトバンクの会長兼CEOの孫正義氏も基調講演で語っている)。

これに対しBalsillie氏は「BlackBerry(Research In Motion)は、キャリアがアプリケーションエコシステムに直接参加できるようにしている唯一のメーカーだ」と述べ、メーカーとオペレータがどうやって協業するかが重要で、「キャリアは課金プラットフォームとして、今後もサービス関係を構築できる」と続けた。

App Worldは現在100以上の国・6言語で利用可能で、2万以上のアプリケーションを揃えるという。一日平均200万回以上のダウンロードがあるとのことだ

キャリア課金を導入すると、アプリケーションの売り上げは明確に増加し、ARPUを改善できるという

このほか今後の計画についても語られた。まず、新たなサービスとしてモバイルギフトプラットフォーム「BBM(BlackBerry Messenger) Mobile Gifting Platform」を発表。これは既存のメッセンジャー機能であるBBMシステムを利用して、BlackBerryスマートフォンユーザーがアプリを友人や家族などにプレゼントしたり、ユーザーが他のユーザーにプリペイドのクレジットをプレゼントできるというサービスだ。

キャリアはBBM Mobile Gifting Platformを利用したプリペイドのトップアップ(チャージ)アプリケーションをApp Worldで提供できる。例えば、子どもが親にプリペイドのトップアップを要求し、親がBBMを使って承認して、キャリアが親のアカウントから子どものチャージ料金を課金するといったことが可能となる。

BBMシステムを使ったギフトサービス。提供時期については明らかにしなかった

近距離無線通信のNFC(Near Field Communication)の取り組みについても説明があった。Balsillie氏はBlackBerryスマートフォンにおいて、「2011年に発表する機種の多くでNFCを搭載する」と説明。NFCの用途としては、小売店での支払い、ビルの入出管理、交通機関、コンタクト情報の交換などを挙げている。

NFCの用途。NFCはAndroid 2.3(Gingerbread)が対応して機運が高まりつつある技術だ