主人公であるグリー部のメンバーは、ハイスクールのはみ出し者、いわゆる"負け組"と呼ばれている子供たちで、いずれも個性的なキャラクターの持ち主ばかり。演じているキャストもミュージカルやアーティスト経験のある実力派ぞろいで、いつの間にかドラマ世界に引き込まれてしまう。

ウィル(マシュー・モリソン)
グリー部の顧問。バラバラだった部員を励まし、一つにまとめ上げて行く

スー(ジェーン・リンチ)
チア部の顧問。自らの利益のためなら手段を選ばない冷徹さで、学内外から恐れられている

レイチェル(リー・ミッシェル) 歌唱力は素晴しいが、やや自意識過剰な性格で周りからは嫌われている。フィンのことが好き

フィン(コーリー・モンテース) アメフト部のキャプテン。ウィルに才能を見いだされ、グリー部に勧誘される。チア部に彼女あり

自己主張の強いヒロインに、マイノリティ、同性愛者、障害者……彼らに対する周囲の風当たりはハンパなく厳しく、毎回、決してキレイごとではない現実がリアルに描かれていく。特にカートが父親に自分がゲイであることを打ち明けるシーズン1の第4話は、シーズン屈指の感動エピソードだ。裏を返せば、それだけアメリカの差別意識やスクール・カースト(※学内のヒエラルキー)が深刻ということなのだが、『glee』はそれを逆手に取り、巧みなセンスで笑いや感動に昇華することに成功している。学校で毎日のようにジュースを顔にかけられようとも、周りからどんなに笑われようとも、彼らは気丈に胸を張り、前へ進んでいく。視聴者は"本当の自分"に出会うために歌い続ける彼らを賞賛し、応援せずにはいられない。……続きを読む