ユニークな撮影機能としては、PENシリーズで好評のアートフィルターに対応。フィルターの種類は、カラフルな発色になる「ポップアート」、ソフトタッチの「ファンタジックフォーカス」、白黒ハイコントラストの「ラフモノクローム」、オモチャカメラの雰囲気の「トイフォト」、風景をミニチュア風に仕上げる「ジオラマ」、階調の再現域を広げた上で、コントラストを局所的に調整する「ドラマチックトーン」の6つ。
撮影モード:アートフィルター(ジオラマ) / 感度:ISO100 / WB:AUTO / ピクチャーモード:NATURAL / 焦点距離:19.84mm |
撮影モード:アートフィルター(ラフモノクローム) / 感度:ISO100 / WB:AUTO / ピクチャーモード:NATURAL / 焦点距離:6mm |
アートフィルターの効果を細かく調整することできないが、RAW形式でノーマルに撮影し、後からカメラ内またはPC上でRAW現像する際にアートフィルターを適用することはできる。また、静止画だけでなく、動画にアートフィルターを適用して撮影することも可能だ。
撮影モード:プログラムAE(F4.5、1/800秒) / 感度:ISO100 / WB:太陽光 / ピクチャーモード:NATURAL / 焦点距離:6.5mm |
撮影モード:絞り優先AE(F1.8、1/10秒) / 感度:ISO200 / WB:AUTO / ピクチャーモード:NATURAL / 焦点距離:6mm |
撮影モード:絞り優先AE(F1.8、1/25秒) / 感度:ISO200 / WB:AUTO / ピクチャーモード:NATURAL / 焦点距離:7.4mm |
撮影モード:絞り優先AE(F4、1/200秒) / 感度:ISO100 / WB:日陰 / ピクチャーモード:NATURAL / 焦点距離:6mm |
そのほかには、色調を5種類から選べるピクチャーモードや、18種類のシーンモード、暗所でぶれを抑えて撮るローライトモード、最短1cmのスーパーマクロ、追尾AF、多重露光などの機能を搭載。コンパクトデジカメでありながら、最長16分のバルブ撮影ができる点は珍しい。動画は、最大で1280×720ピクセルのHD記録に対応する。
撮像素子は、1/1.63型とコンパクトデジカメではやや大型のCCDで、画素数は有効1000万画素と控えめだ。画素数をあまり増やさないことは、細部解像力ではマイナスだが、高感度の画質という点では有利になる。現にXZ-1の高感度画質は、ISO400くらいまでは十分に実用レベルだ。また開放値でも周辺までシャープに解像し、レンズ性能は優秀といえる。
撮影モード:絞り優先AE(F2、1/50秒) / 感度:ISO200 / WB:AUTO / ピクチャーモード:FLAT / 焦点距離:6mm |
撮影モード:絞り優先AE(F2、1/100秒) / 感度:ISO100 / WB:AUTO / ピクチャーモード:FLAT / 焦点距離:9.87mm |
上段左から順にISO100/200/400、下段左から順に800/1600/3200/6400で撮影。撮影モード:絞り優先AE(F5.6) / WB:AUTO / ピクチャーモード:NATURAL / 焦点距離:19.84mm |
マニュアル露出やRAW記録ができる一歩上のコンパクトデジカメとして、撮影にこだわるユーザーにお勧めしたい。ただ、試用するまではもっとマニアックなカメラを想像していたが、実際に使用してみると、より幅広いユーザーに向けた製品だと感じた。
個人的な要望としては、ボタンやダイヤルを自由にカスタマイズ可能にして欲しいこと。たとえば現状では、選択している撮影モードによってコントロールリングの働きが異なるのは戸惑うし、動画を使わないユーザーにとっては動画ボタンは不要に感じる。PENシリーズに比べると、画質や拡張性で及ばないが、携帯性で勝り、日常感覚で気楽に撮影を楽しめるカメラといえる。