Xperia PLAYには、ゲームを購入する「PlayStation Network Store」が用意され、Certifiedを取得したゲームが配信される見込みだ。なおGingerbreadのAPIを使えばXperia PLAY用のゲームが開発できるため、Certifiedを取得していない個人やベンダーのゲームも、Android Marketから配信することもできる。PlayStation StoeとAndroid Marketなど、複数の配信を選ぶことも可能になるということで、ゲーム配信での囲い込みはしないようだ。
提供されるゲームはPlayStationのものだけではない。すでに20のゲームメーカーが参入することを明らかにしており、PlayStationゲームの移植やオリジナルゲームの投入などによって、順次ゲームラインナップを拡大していく考えだ。カンファレンスではGlu MobileやEA、GAMELOFT、Digital Chocolate、ナムコ・バンダイらの名前が挙がったが、坂口氏はそのほかの日本の大手メーカーも参加すると話す。
ソニー 代表取締役社長兼グループCEO平井一夫氏はXperia PLAYの提供について、「ソニーのユニークなユーザー体験を実現するための最初の第一歩」と話し、ソニーグループとして今後もさらなる製品の展開を進めていく考えを示す。ソニー・エリクソンでは、Walkmanケータイ、Cyber-shotケータイ、Xperiaシリーズといったエンターテインメントとコミュニケーションを融合させた端末を投入してきた。「Xperiaはコミュニケーションとエンターテインメントのブランドであり、その一つの大きな例がXperia PLAY」と坂口氏は語る。
Xperia PLAYは、まずは米国でCDMA2000ネットワークを採用するVerizon Wirelessから提供される。世界での発売は3月からだ。なおXperia PLAYはCDMA2000版とW-CDMA版の2種類を用意するとのことで、多くの事業者をサポートが可能だ。現時点で世界の事業者ではVerizon Wirelessしか公表されておらず、国内に関しても坂口氏は、CDMA2000を使うau(KDDI)の「可能性もある」とだけコメントしている。ちなみに、坂口氏はXperia arcも含めたXperia新モデル4機種のうち、CDMA2000版があるのは「今のところ」(坂口氏)Xperia PLAYだけだとしている。
Xperia PLAYの開発では、こうした端末自体はもっと早くできたと坂口氏。携帯ゲーム機としての耐久性、携帯電話としての耐久性の双方を満たしながら、「スマートフォンとしてギリギリのサイズ」(坂口氏)にできたことが、今回の製品化につながったと説明する。あくまでも携帯電話であるため、例えばゲーム中に着信があった場合など、ゲームから離れる場合は自動的にオートセーブされる仕組みも搭載する。Gingerbreadに搭載したボタンのAPI、ハードウェアのパフォーマンスなどによって、快適にゲームが遊べるようになっている。坂口氏はまた、3G通信で常時通信できることから、コミュニケーション機能を生かすなど、これまでにない新たなゲームの登場を期待しているという。
展示されていた実機を見るとXperia PLAYにはHDMI端子が見当たらないが、HDMI経由で大画面テレビに画面を出力することができるようにする意向で、「Xperia PLAYでHDMI経由の出力をできるようにしたい」(坂口氏)という考えを示している。またタブレット端末に関しても意欲を見せており、スマートフォンとしての電池の持ちやコンパクトさなど、携帯メーカーだからできることを大事にしていきたいと話す。現時点では「何かやりたい」という段階で、今後の展開は明言しなかった。