ここからは、実際のゲームをプレイしながら、それぞれのゲームのポイントをエリス氏が解説してくれた。紹介されたゲームは発売直後のものや発売前のものなど、最新のものばかりだ。

「ニューパズルボブル」 - iPod touchならではの操作スタイル

「ニューパズルボブル」

ひとつめはアクションパズルゲーム「ニューパズルボブル」。「パズルボブル」は2009年にiPhone/iPod touchアプリとしてリリースされているが、2月にニューバージョンとして新たに登場したものだ。

エリス氏はこのゲームについて、「可愛らしいから、子供にも最適。でももちろん大人でも楽しめます」と紹介。注目のポイントとしては操作方法を挙げ、「球を後ろに引っ張って指を離すという実際のスリングショットそのままの操作もできるし、小さな子供さんなら球を飛ばす先を単純にタップするだけでもいい。iPod touchのマルチタッチインタフェースをどう使うか、メーカー側がきちんと考えてくれています」という。「ゲームのデザインが、デバイスの制約――たとえば、AボタンとBボタンがあって、というような――に制約されてしまうということがあります。でも、iPod touchの場合は、この『ニューパズルボブル』のように、操作においてもゲームの世界感をうまく表現できるんです」という制約のなさが、iPod touchのゲーム制作のひとつのポイントというわけだ。

「Bop It!」 - 加速度センサーやジャイロを活かしたゲーム体験

「Bop It!」

次に見せてくれたのは「Bop It!」。日本ではあまりなじみがないが、米国では人気のある音楽おもちゃをiPod touch上で再現したものだそうで、これも2月に発売されたばかりだ。ゲームをスタートすると、リズムに合わせて画面上に「Bop it!(叩け!)」「Twist it!(ひねれ!)」「Pull it!(引っ張れ!)」といった指示があらわれるので、それに合わせて画面上をタップしたり、スワイプしたりといった操作を行うというものだ。

このゲームでも、もともとのおもちゃのさまざまな動作をマルチタッチや加速度センサーを利用してうまくiPod touchに再現している。もとのおもちゃでつまみをひねる動作は画面上を2本の指でタッチしてひねるように回転させる動作に置き換えられるし、取っ手を引っ張る動作はドラッグやiPod touchそのものを引っ張るように動かすことに置き換えられる。こういった加速度センサーやジャイロを利用した"体を使う"操作は、家庭用ゲーム機ではWiiのコントローラやXBOXのKinect、PlayStation Moveなどによって実現しつつあるとはいえ、携帯ゲーム機ではまだ未踏の領域。それをiPod touchではいちはやく活用しているのだ。

なお「Bop It!」では、画面に「Pass it!」という指示があらわれたらすかさず他の人に手渡す、という形で大人数で楽しむこともできる(というより、オリジナルのBop it!がそういうもの)。さまざまな動きが入っているので子供にも楽しめそうだし、パーティや飲み会のお供にも楽しそうだ。ただし、あんまり興奮してiPod touchをうっかり放り投げたり取り落としたりしないよう、その点には注意したほうがよさそうだ。

「Infinity Blade」 - プロセッサの性能をいかんなく発揮

「Inifinity Blade」

次のゲームは「Infinity Blade」。冒頭に触れた2010年秋のスペシャルイベントでデモとして披露された剣闘士アクションゲームだ。このゲームについてエリス氏は、「Epic GamesがA4プロセッサやRetinaディスプレイ、マルチタッチのインタフェースといったiPod touchのコンポーネントをうまく使っています」という。とにかく表示が美しく、動きもスムーズ。それだけでなく、戦いの操作も、攻撃したい場所をタップしたり画面上のガードボタンをタップしたりと、マルチタッチをいかしたものになっている。「敵に斬りつける」という動作と画面上の敵をタップする動作が感覚的に近いため、非常にゲームに没入しやすいのだ。このあたりは、ゲームをやりながら思わず身体が動いてしまうタイプの人にはよくわかっていただけるのではないかと思う。

「Resident Evil Mercenaries VS」 - 精細な表示がゲーム性を高める

「Resident Evil Mercenaries VS」(2月7日現在、未発売)

「バイオハザード」シリーズの海外タイトル最新版「Resident Evil Mercenaries VS」でも、やはり精細なグラフィックとマルチタッチを活用したインタフェースになっている。とくにこのゲームの場合、遠い位置にいる敵や他キャラクターを表現するのに、Retinaディスプレイの高解像度が効いてくる。なお、今回遊べたのはシングルプレイ専用のデモ版だったが、実際の販売にあたってはインターネット経由のマルチプレイにも対応するという。このあたりもデバイスの機能を活用した遊び方の提案といえるだろう。

「デビル メイ クライ 4 リフレイン」 - ゲーム内容に直結した操作

「デビル メイ クライ 4 リフレイン」

「デビル メイ クライ 4 リフレイン」も人気シリーズのiPhone/iPod touch版。このゲームでは主人公ネロの右手が"デビルブリンガー"で敵を引き寄せるなどの操作を行うが、それもまた画面上をドラッグするようにして発動できるよう設定されており、ゲームの世界に没入するのを助けてくれる。

「NBA JAM」 - バーチャルジョイスティックも使いやすく

「NBA JAM」(2月7日現在、未発売)

最後に紹介してくれたのは「NBA JAM」。このゲームでは、十字キーに相当する操作を画面上にあらわれるが、バーチャルジョイスティックは固定の位置に表示されるのではなく、指で触れた位置が基準になり、そこから上にスライドすると上移動、下にスライドすると下移動というようになる。バーチャルジョイスティックでは指で触れてもボタンの位置を確認できないが、このシステムでその難点も解消される。