しかし途中、向ケ丘遊園駅と生田駅の間にある踏み切りで線路内立ち入りが発生して緊急停車した。このとき先頭車両内は騒然となり、後部車両からも人が集まってきた。結果としてけが人もなく、数分で運行は再開。ところが、車内も落ち着きを取り戻したところで、5分も経たないうちにまた非常ブレーキがかかる。偶然にも踏み切りで渡りきれない自転車があり、列車停止信号が発せられたとのことだ。

踏み切りで線路内立ち入りがあり車内は一時騒然となった

車内で参加者から拍手が沸き起こった"さよならプラカード"

走行中は車内アナウンスを使って5000形の解説や、記念品に含まれていた「仕業表」の解説が行われた。仕業表とは、乗務員が1日乗務中に携帯する予定表のことだ。事務所を出る時刻から出庫検査、各駅での出発時刻などが明記されている。記念品には、まさにこの特別列車の仕業表が入っており、参加者はそれを見ながら説明に聞き入っていた。

記念スタンプに長蛇の列

2度のアクシデントがあったが、新百合ヶ丘駅を発車するころには定刻に回復しており、予定通り12時20分頃唐木田駅に到着。このまま入庫も体験したかったところだが、参加者は一旦列車を降りて唐木田車庫へ徒歩で向かった。

車庫に向かって発車する5000形。見えなくなるまでシャッター音は響いていた

唐木田車庫に留置された5000形10両編成は、ひとまず特別列車の状態のまま参加者を迎えた。そのあと13時15分頃からヘッドマークを外して両端で異なる種別の行き先を表示、20分後に種別と行き先が変更になり、普段は観られない組み合わせも一瞬だが楽しめた。中でもいまは運行されていない「湘南急行」の表示が出ると、参加者から歓声があがった。

唐木田車庫を入口から俯瞰する。10両編成はこれで見納めだ

唐木田車庫での撮影会は、13時からの予定だったが繰り上がって開始された

撮影会では物販コーナーと記念スタンプが用意されていた。物販コーナーでは「5000形(5200形)Bトレインショーティー」の先行販売などが行われ、記念スタンプは終了間際になっても行列が続く人気だった。

先行販売された「5000形(5200形)Bトレインショーティー」。これは2月10日より小田急百貨店(新宿・町田・藤沢店)の玩具売り場、小田急線各駅売店、オンライントレインズなどで発売開始される。4両セット2,300円

唐木田車庫は盆地のような地形となっており、入口や隣にある清掃工場から見下ろすように最後の姿を撮影するファンの姿もあった。この日運行を終了した5268Fは廃車予定で、地方私鉄や海外へ譲渡される予定はないとのことだった。