ワタミが手がける250円均一居酒屋
サラリーマンの味方ともいうべき低価格の均一低価格居酒屋。しかし、実際行ってみると、一品の量が少なかったり、スタッフを呼んでもなかなか来てくれなかったり、満足度が低い店も少なくない。そんな中登場したのが、居酒屋チェーン大手のワタミが手がける250円均一の居酒屋「仰天酒場 和っしょい2」(2は二乗)。「これは! 」と思い、ワタミ広報担当者に話を聞くと、意外にも「低価格の均一居酒屋は意識していません」とのコメント。
一体、ワタミの新業態「仰天酒場 和っしょい2」とはどのような店なのか。私たちの"居酒屋ライフ"を大きく変えるかもしれない、ワタミの新たな取り組みについてリポートする。
東京・五反田。JR五反田駅から徒歩2,3分の場所に2010年8月、「仰天酒場 和っしょい2 五反田東口店」がオープンした。食事、ドリンクメニュー共に250円均一が基本(250円は税込価格!! )。客単価は1,800円ほどで推移しているという。
「王将」のような、「日高屋」のような
コンセプトは「仕事帰りに気軽に飲める居酒屋」。つまり、既存業態の「和民」や「わたみん家」とは異なり、ふらっと立ち寄って1時間ほど軽く飲む、といった"ちょい飲み"スタイルの店なのだ。ライバル店が「王将」や「日高屋」になる、といったら分かりやすいのではないだろうか。
しかしながらそういった市場で戦うためには、もちろんメニュー単価を下げる必要がある。「価格を下げたからクオリティも下がったでは意味がない。かといって、人件費を下げると従業員にも負担がかかる」(ワタミ広報担当者)と苦悩の結果、同業態ではテーブルサービスをやめて人件費を抑える工夫をした。
注文は、各テーブルに設置されているタッチパネルで。出来上がったドリンクや料理は窓口までお客が受け取りに行く。支払いは店内でチャージできる専用の「仰天カード(ICカード)」を使うので、レジに人手を割く必要もない。取材に伺った五反田店は31.5坪・73席。「和民」など他の店舗なら厨房4人、ホール3~4人は置くところ、同店では多い時で厨房3人、ホール1人の計4人でまわせるという。その結果、人件費は19%に抑えられている。
しかし、ここまで読んで、「なんだか面倒そう」と思った方も多いはず。そこで筆者が実際に利用してみたのだが、最初はやり方がわからずやや手間取るものの、お金をチャージしてしまえばその後はスムーズ。タッチパネル式の注文は他店でも採用されているのでやりにくさは感じない。オーダーの度にスタッフを呼ばなくていいのもラクである。
オーダーのしくみ
1.発券機で「仰天カード」を購入し、1,000円単位で入金する。一時預かり金200円がかかるが、精算時に返金される。
2.席につき、各テーブルに設置されたタッチパネルで注文。最後に「仰天カード」をかざして決済する。
3.商品が出来上がるとチャイムが鳴って、タッチパネルの画面上に「タッチ」の文字が浮かぶ。これをタッチしたのち、「仰天カード」を持って受け取り口へ。スタッフにカード裏の番号を見せ、商品を受け取る。