SSDを安全に高速化する「SSD革命/SpeedAdvance」
ホストドライブをHDDからSSDに換装するユーザーが増えているが、SSDには書き換え回数の上限や、キャッシュレベルの低いデバイスではランダム書き込み性能の低さといった欠点がある。確かにホストドライブをSSDに変更することで、ファイル入出力のオーバーヘッドが軽減し、大幅なパフォーマンス向上を実現できるが、前述のような堅ろう性の低さから、メインストレージとして運用するのは心許ない。そこで併用したいのが「SSD革命/SpeedAdvance」である。
同アプリケーションの特徴を端的に述べれば、ホストドライブへの書き込みをメモリ上に作成した領域に変更することで、ホストドライブに対する書き込みを軽減し、高速化と保護を行うというものだ。通常使用時はホストドライブへの書き込みは行われず、メモリ上の領域(一時ファイル)に保存され、ホストドライブへの変更を適用する場合に、SSD/HDDへの書き込みが行われる。
また、OSやアプリケーションがデータを参照する場合は、先の一時ファイルから参照されるため、読み書き共にストレージではなく一時ファイルが参照されるというものだ。これらのロジックは独自サービスによって実現されている(図14)。
図14 「SSD革命/SpeedAdvance」インストール時に組み込まれる独自サービス |
一見すると、RAMディスク導入と大差ないように思えるが、ホストドライブへの読み書きをトラップするため、ユーザーの個別操作が一切不要。これは「SSD革命/SpeedAdvance」を導入する最大のメリットとなるだろう(図15~16)。
作成した一時ファイルは必然的に容量が限られるが、使用率はデスクトップに鎮座するモニターウィンドウで確認できる。この一時ファイルの使用済み容量が規定値に達すると、あらかじめ設定した動作(メッセージの表示やビープ音)を実行し、コンピューターのシャットダウン/再起動をうながされる。また、現在のキャッシュデータをホストドライブに書き出して継続することも可能だ(図17~19)。
図17 使用率を確認できるモニターウィンドウ |
小さなウィンドウに切り替えることも可能だ |
図18 一時ファイル使用率が既定値に達すると、<リミット時の設定>タブで設定した動作が実行される |
図19 Windows 7終了時などに現れるダイアログ。ここから動作を選択できる |
ここでパフォーマンスの向上をご覧頂くため、先ほどと同じくCrystal Disk Markによるベンチマーク結果をご覧頂きたい。図12の結果と比較するとわかりやすいが、ベンチマークファイルも一時ファイル上に作成されるため、圧倒的な数値が打ち出されている。比較対象がHDDのため、差が大きくなっているが、いずれにせよ「SSD革命/SpeedAdvance」の導入メリットが確認できたはずだ(図20)。
図20 「SSD革命/SpeedAdvance」インストール後にホストドライブを対象にしたベンチマーク結果 |
なお、「Memory革命/RAM Drive」および「SSD革命/SpeedAdvance」を2010年12月22日以前に購入したユーザーには、特別アップグレード版が用意されている。以前から各アプリケーションを使用し、64ビット版Windows 7を導入することで、アンインストールしていたユーザーはこれを機に64ビット対応版を導入することをお勧めした。また、両者をセットにした「Speed Complete BOX」も従来と同じく用意されているので、ふんだんな物理メモリを効率的に活用したい方は導入を検討して欲しい。