次に、GoogleのDeveloper AdvocateのTim Bray氏によるビデオメッセージが紹介された。Tim氏は、開催中のCES 2011で、驚くほどの数のAndroid端末が公開されていて、タブレット端末も多いと解説。安価のAndroid端末も増えているとし、開発者には「素晴らしいアプリを作ってほしい」と述べた。
招待講演では、総務省 情報通信国際戦略局 情報通信政策課長の谷脇康彦氏が登壇。「スマートクラウド戦略とモバイルビジネス」というテーマで講演を行った。谷脇氏は最初に、国内のブロードバンド基盤の整備状況を解説。ブロードバンド・ゼロ地域の解消は今年3月までに完了する見込みであると述べた。また、ブロードバンドのうち、FTTHが一番普及していると紹介した。次に、携帯電話加入数の推移を示して98%が3Gであると解説し、有線、無線ともにネットワークのインフラは、世界最高水準であるとした。
GoogleのDeveloper Advocate、Tim Bray氏のビデオメッセージ |
招待講演で登壇する総務省 谷脇康彦氏 |
一方で、ブロードバンドの加入率は先進国で中位であり、ICT国際競争力が低迷していることが、今後の課題であると指摘。そのうえで、ICTの利活用を促進することで、国際競争力を強化したいと述べた。
丸山氏と同様に、デジタル機器の高機能化、低価格化によるコモディティ化を指摘した谷脇氏は、今後はものを販売することが、サービスの提供になるという「モノのサービス化」が進展すると予測。オープンな環境がモノのサービス化に対応すると述べた。また、付加価値を共創する場として、プラットフォーム間の連携が必要になるとした。
さらに谷脇氏は、次世代通信規格のLTEの開始により、モバイル分野のクラウド化が進むと指摘。加えて、トラフィックの急増に対応するため、有線と無線がハイブリッド化すると述べた。また、スマートフォンの普及により、端末やネットワークに依存しない"any device, any network"の方向へ進むと解説した。そして、次世代のクラウドサービスである「スマート・クラウドサービス」によって、ICT利活用の遅れが解消されると述べた。
最後に谷脇氏は、国内のクラウドサービスの普及、発展を推進するために設立された「ジャパン・クラウド・コンソーシアム」に、総務省がオブザーバーとして参加していることを紹介。日本が持つポテンシャルは高いとし、オープンで新しいビジネスを支援していきたいと述べた。