ダウンロードを行う際に注意すべきこと

Apple IDとパスワードを入力してMac App Storeにサインインすると、「無料」ボタンまたは「¥○○ 購入する」ボタンをクリックするだけでアプリの購入とダウンロード・インストールを一気に行うことができる。インストール中はDockにアプリアイコンが現れ、その下に進行状況を示す青いプログレスバーが表示される。このプログレスバーが消えれば、インストールは完了。Dockアイコンをクリックすると、そのアプリを起動することができる。このあたりの使い勝手はiPadやiPhone版のApp Storeと同じで、非常に簡単かつスムーズ。ただし、有料アプリでもワンクリックで気軽に購入できてしまうため、うっかり間違って「¥○○ 購入する」ボタンをクリックしてしまわないように注意が必要だ。

なお、Webサイトや小売店で購入した有料アプリの場合、通常はシリアルナンバーを入力したり、ユーザー登録をしたりする必要がある。しかし、Mac App Storeの場合はストア側で購入情報が管理されているため、これらのめんどうな手続きが必要ない。実際に有料アプリをダウンロード購入してみたが、シリアルナンバーを要求するダイアログやユーザー登録ダイアログは一切表示されなかった。

「無料」ボタンまたは「¥○○ 購入する」ボタンをクリックすると、アプリの購入からインストールまでを一気に行うことができる。インストール中はDockアイコンの下に進捗状況を示す青いプログレスバーが表示される(画面左)。プログレスバーが消えればインストール完了で(画面右)、クリックするだけでユーザー登録などを行うことなく実行できる

アプリをインストールすると、Mac App Storeの「購入済み」にダウンロード購入したアプリが一覧表示されるようになる。その際リストの右側に「インストール済み」というマークが表示される。複数のMacを所有している場合、別のMacでMac App Storeにサインインすると、この部分に「インストール」または「アップデート」ボタンが表示されることがある。その場合、ボタンをクリックするとアプリのアップデートやインストールが可能。

アプリをインストールすると、Mac App Storeの「購入済み」にダウンロード購入したアプリが一覧表示されるようになる

複数のMacを所持している場合、別のMacでMac App Storeにサインインすると、「購入済み」リストの右側に「インストール」または「アップデート」ボタンが表示されることがある。その場合、ボタンをクリックするとアプリのアップデートやインストールを行うことができる

インストールしたアプリがバージョンアップした場合は、Mac App Storeの「アップデート」画面でアプリのアップデートを行えるようになる。ちなみに、Mac App Storeオープン以前に開発元のWebサイトで購入するなどしたシェアウェアがインストールされている場合は、Mac App Storeでも「インストール済み」と表示される。ただし、中には「¥○○ 購入する」ボタンが表示され、「インストール済み」にならないこともある。その場合は、そのシェアウェアを配布していたWebサイトから最新バージョンをダウンロードし、アプリを手動でアップデートすることで「インストール済み」に変わることがあるので覚えておこう。

右上の検索フィールドにキーワードを入力してenterキーを押すと、キーワードに関連するアプリを探し出すことができる

インストールしたアプリがバージョンアップした場合は、「アップデート」画面でアップデートの確認と実行を行うことができる。現時点ではアップデートしたアプリがないため「Appはすべて最新バージョンです。」と表示されている

まとめ -- アプリ購入の概念を変える画期的なシステム

2010年末に来日した米Appleのフィル・シラー上級副社長(ワールドワイドプロダクトマーケティング担当)は、同社のビジネスについて「Appleだけが、ハードウェアとサービスを同時にユーザーへ提供している唯一の会社です。そうすることで、シームレスに統合されたユーザー体験が可能になるのです」と語っている。Mac App Storeは、その強みをいかした"シームレスに統合されたユーザー体験"のひとつだ。

ここまで見てきたように、Mac App Storeを使うと、ワンクリックでアプリを購入からインストールまで簡単に行うことができる。一度使ってみれば分かるが、コンピュータ用アプリケーションの購入の仕方を根底から変える可能性を秘めた画期的なシステムと言えるだろう。

また、シラー氏が「iPhoneのユーザーが爆発的に広がっていることで、Macへの関心も一気に高まってきました。Mac本来の使いやすさに加えて、iPhoneで手軽に必要なアプリケーションを手に入れるということに慣れたユーザーがMacでも同様の体験ができるのが、Mac App Storeの強みです」としているように、iPhone/iPadのヒットによって拡がった新たに拡がったユーザー層に対してのアピール度も大きいはずだ。

ただし、現在のところMac App Storeで購入できるのはオンラインソフトが中心となっており、Adobe Creative SuiteやMicrosoft Officeなどの大物ソフトはラインアップされていない。また、著名なフリーソフトやシェアウェアであっても、Mac App Storeで提供されていないアプリは多数ある。そのため、今後しばらくはアプリの入手経路として、パッケージ、Webサイトなどからの個別ダウンロード、Mac App Store経由でダウンロード、という具合に複数の方法が併存していくことになる。それが余計な混乱につながらなければよいのだが……と思う。

個人的には、Mac App Storeが本来の魅力を発揮するのは、iPadライクなアプリケーションランチャー「Launchpad」などの機能を取り入れた次期OS、「Mac OS X Lion」からではないかと考えている。その意味でも今夏登場予定の同OSの動向には、ぜひ注目しておきたいところだ。