女ひとり旅――。旅好き女子なら、一度は憧れるシチュエーションだが、土地勘のない場所に1人で行くのは少し勇気がいるもの。そんな旅ガールたちを後押ししてくれるのが、11月末に登場したハイブリッドGPSカメラ「EX-H20G」。GPS機能を搭載するほか、地図も内蔵するカーナビのようなデジタルカメラってだけでもすごいのに、今ならJTB添乗員オススメの京都スポット100選が収録されたSDカードもついてくるという、すぐれものなのだ。

旅カメラならではの"おまけ"

しかしながら、どれだけすぐれものなのか…? 使ってみなければわからない。というわけで、「方向音痴のお前でも大丈夫か調べて来い!」という上司の命令のもと、20代女子を(勝手に)代表して私がEX-H20Gとともに京都旅に出かけることに……。

旅の前日、自宅に持ち帰ったEX-H20Gの液晶モニター上に地図を表示。もともとEX-H20Gには、世界約1万件の観光地や景勝地画像が内蔵されていて地図上には景勝地を示すドットが点在しているけれど、京都周辺には緑色のドットがちらほら。これが、今回特別にJTB添乗員さんたちがオススメするスポット(以下、100選)を示しているらしい。

カメラの地図を見ながら、旅の準備って新鮮…! 右端に表示されている景勝地画像を見ていたら、はやく旅に出たい気持ちがうずうず

それにしても、京都は見どころが多すぎる! ひとつひとつのスポットの説明と写真を見ていたら、いろいろと行きたくなって迷ったけれど、地図上の縮尺表示も参考にして最終的に1日に周れるルートとして、約10箇所をチョイス。いつもはガイドブックやPCで念入りに旅行計画を立てる心配性の私だが、EX-H20Gの地図と100選説明文に後は頼ることにしてさっくり就寝することに。

こんな感じでJTB添乗員さんのオススメ撮影スポットの説明を収録。営業時間や定休日なども記載されているからPCを立ち上げて調べる手間も省ける

増え続ける「赤いドット」の正体は?

新幹線での移動中は、せっかくだから京都に関連する小説で気分を高めます

品川を出発して約2時間。新幹線で京都に到着したら、まずはEX-H20Gの電源をオン。[MENU]ボタンを押すと出てくる「設定」の「GPS」項目を「入」に設定する。これだけでGPS機能の設定は完了。どきどきしながら少し待つと、液晶モニターの現在位置表示が京都地図上に切り替わる。

「おぉ!」と思いつつも、あっさりと設定できて拍子抜け。説明書によると、一度「入」に設定すると電源オフのときでもGPSは起動し続けるから心配不要なのだという。

京都到着記念に、駅前にある京都タワーをパシャリ。京都タワーにカメラを向けると「京都タワー」という地名が自動的に出てきたのには、ちょっと感動。ちなみに地名の候補は最大6個も表示されるとか

はじめに100選にも選ばれた平安神宮へ向かうことに。平安神宮へは、京都市バスに乗り「京都会館美術館前」で下車するのが近い。京都市バス一日乗車券(500円)を購入していざ出発。余談だが、京都市バスの1回の乗車は大人220円だから、3回以上乗れば一日乗車券のほうがお得になる計算。買うなら最初に買っておくべき!

京都駅をバスで出発し、デジカメの地図表示を見ると、赤いドットが自分が進んだ道沿いについている。これ、移動軌跡を表示してくれているのだそう。バスに乗りながら液晶モニターを眺めていると次から次へと赤いドットが増えていってなんだか楽しい。

バスで移動中に移動軌跡と現在位置をチェック。京都タワーの場所に表示されている青いドットは"自分が撮影した場所"を示すもの

「京都会館美術館前」で下車。大鳥居を抜けて少し歩くと、平安神宮が見えてきた

冬の平日ということもあってか、平安神宮も人はまばら。おすすめポイントとなる"緑ドット"をデジカメの地図上で再度確認すると、どうやら平安神宮の中にある「神苑」の中みたい。平安神宮には何度か来たことがあったけれど、神苑に入るのははじめて(有料なので見過ごしてました)。

東京ドーム約1個分という広さをもつ平安神宮神苑は、最大360度のパノラマ写真も撮れる「スライドパノラマ」で。国の名勝にも指定されている回遊式庭園には八重紅しだれ桜が咲き誇るというから、春に訪れるのもいいかも

液晶モニターをチェックしながら行くと、目的地の緑ドットに現在位置表示が近づいて行って、ちょっとした宝探し気分。途中、「日本最古の電車」の展示を発見してひとり感動しつつも、たどり着いたのは「臥龍橋(がりゅうきょう)」の前。龍が臥す姿を象り、神苑の作庭者が手がけたというこの橋を、デジカメに内蔵されている画像をマネして"プロ風"に撮影。いい景色は誰が撮ってもいい感じに写るからすてきです。

「臥龍橋」のEX-H20Gに内蔵されていた画像(左)と私が撮影した写真。実際に上を歩いてもOKなので、ぴょんぴょんと石の上を渡っているおじさまも。落ちないように注意…の看板にビビリの私は見守るのみ

ココは必見! 知っておきたい、桜の名所

"京都ならでは"を感じさせてくれる、日本庭園を満喫した後は、いちばん近い緑ドットの「南禅寺」を目指すことに。縮尺付きの地図を見ると歩けそう。琵琶湖疏水の雰囲気を楽しみながら、ゆっくり南禅寺を目指すことに。

疎水(左)を眺めながら、続いて南禅寺へ。100選説明によると「他の京都のお寺とは一線を画す和洋折衷の雰囲気が独特」とのこと。内蔵されている画像は紅葉の時のもので、ちょっと羨ましくもなったけれど、冬には冬の風情があります

南禅寺に寄ったら見ておきたいのが、境内を横切る水路閣。古代ローマの水道橋をモデルにしたというレンガ造りの水路閣前には、お天気雨がぽつぽつと降る中、カメラを構える人多し

帰りがけには、南禅寺近くに表示されていた緑ドット、南禅寺入り口手前から蹴上駅方向に伸びる「インクライン」(傾斜鉄道)にも立ち寄り。昭和26年に役目を終えた傾斜鉄道跡沿いは桜並木となっており、春には線路内を歩いて桜を楽しめるらしく…。その景色を拝むためにもまた来なくちゃ、と心に誓うのでした。

そこだけ時が止まっているような「インクライン」。この両脇に桜が咲いたらキレイだろうな

続いての緑ドットは、春と秋の夜間拝観ライトアップでも人気が高い青蓮院門跡。ここは有名どころ? と思いきや、JTB添乗員さんの目のつけどころはやはり違って、100選説明には「樹齢800年の大楠が素晴らしく、道路にせり出すほどの巨木でとても赴きがあります」とある。早朝の風景が特にいいみたい。

「青蓮院門跡」の楠木。100選のアドバイスどおり、しゃがんで上向きに撮影してみた。ひとり撮影もだんだん大胆に…

緑ドットに導かれ、どんどん進む京都旅、地図上の移動軌跡もぐんぐん伸びる。
次なる目的地は豊臣秀吉の妻・ねねにゆかりの高台寺と圓徳院がある「ねねの道」。石畳の道を人力車に乗って巡ることもでき、行き交う観光客も多い。"東山路傍の触れ仏マップ"を手にてくてく歩いていると「1人旅ですか? 楽しんで!」と人力車のお兄さんが手を振ってくれた。………次ページでは、リーズナブルに"名庭園ディナー"を楽しむ方法をご紹介

青蓮院門跡後に移動軌跡を見ながらベンチで一休み。けっこう歩いたなー

ねねの道。周囲には「ねねの小径(こみち)」や「石塀小路」などもあり散策も楽しい