米GoogleがChrome OSのパイロットプログラムで配布しているChrome OSノートPCのテスト機「Cr-48」が届いた。電源を入れてビックリ、日本語表示だけではなく、すでに日本語入力(Google日本語入力)もちゃんとサポートされている。最終製品のリリーススケジュールの遅れ、米国ユーザーを対象にしたテストプログラム開始などから、Chrome OS 1.0の段階で日本語が使えるのか不透明な状況だったが、そんな不安を払拭するサプライズだ。初めて自分の手でChrome OSに触れてみて「想像していた以上に実用的」という印象を受けた。

Cr-48の箱を開けると、機能キーやタッチパッド、電源ボタンなどを説明した厚紙が現れる。これ以外の説明書はバッテリーの装着や電源アダプタの接続などに関するカードが底に1枚入っているだけ。「操作に説明は必要なし!」と、Chrome OSのシンプルさをアピールしているようなパッケージだ。

箱を開けると、キーボード&タッチパッド、機能キーの説明が1枚。しかし、これを読まなくても何の問題もないほどChrome OSはシンプルだ

「箱を開けたらスタートガイド1枚」というのは、同様にシンプルさを売りにしているAmazonのKindleのパッケージに似ている(Kindleは電子ディスプレイに表示)

本体の上に「If you cracked this open, you'd find Intel」(中を覗いたら、そこにはIntel)というカード。Cr-48はノーブランドであるためIntelシールが貼られていない。その代わりだろう

本体のほかは、バッテリーと電源アダプターが付属するのみ

キーボード右上のパワーボタンを押して電源オン。Chromeのスタートアップ画面に続いて、言語と無線ネットワークの設定画面が現れる。利用規約に同意したあとGoogleアカウントでログイン、Google Talkなどに表示するための自分の写真を撮影してセットアップ完了だ。5分とかからない。

キーボード右上の電源ボタン。セットアップ完了後は、ユーザーの切り替えにもこのボタンを利用する

Chrome OS起動スクリーン

言語と無線ネットワークの設定画面

日本語は「More...」の中にある。気づかずに英語を選んでしまったとしても、あとで日本語に切り替え可能だ

TPM(Trusted Platform Module)の情報。ソフトウエアとハードウエアが連係したセキュリティがChrome OSデバイスの特長の1つ

Chrome OSの利用規約。パイロットプログラム段階なので、利用データの自動送信に最初からチェックが入っている

Chrome OSは複数のGoogleアカウントを登録でき、またゲストモードでの利用も可能だ。ただ気をつけないといけないのは、セットアップ・プロセスでログインしたGoogleアカウントが管理者アカウントになり、このアカウントだけはあとで削除できない。管理者の変更は、すべてのユーザーの消去になる。複数で利用する場合、まず管理者アカウントを決める必要があるのだが、このあたりの説明が不十分で、これが筆者からの最初のフィードバックになった。

1台のChrome OSパソコンを1人で使っていても、起動のたびに毎回Googleアカウント(またはゲスト)でログインする必要がある。ログインによりセキュリティチェックが行われ、ユーザーの最新のGoogle環境 (Webアプリやブックマーク、利用しているGoogleサービスなど)が起動したChrome OSデバイスに反映されるのだ。

電源オフ状態からGoogleアカウントでログインして、Cr-48が利用可能になるまで15秒程度。つまり使用中のChrome OSパソコンが壊れてしまったとしても、別のChrome OSパソコンでログインすれば、15秒程度でまったく同じ自分の環境が構築される。デバイスに左右されないのが、Chrome OSの最大のメリットだ。なおスリープ状態からならば、Cr-48は3秒程度で復帰する。

電源オンのあとに現れるログイン画面。ゲストモードも用意されているが、同モードではWeb閲覧に機能が制限される

画面全体にWebページが表示されるため、Webサイトの閲覧・利用が快適