――乗り物に乗っていても測位されるのですか?
萩原「GPSはとにかく感度がいいので、乗り物に乗っていても窓際なら受信できます。測位も早いです」
――となると、やっぱりアンテナ感度の良さが重要なんですね。
萩原「カシオはいろいろなコンシューマ機器を作っていますが、それらの付加価値アップのために無線通信の技術も研究していまして、そこでの技術者が感度向上に協力してくれています。彼らの協力なくして、この感度性能はあり得ません。さらにアンテナの感度向上だけではなく、モーションセンサーと組み合わせ、ハイブリッド化することで、GPS測位が早く行えるように仕上げています」
――EX-H20Gの新しいところは、膨大な名所、景勝地画像のデータベースというコンテンツを持っているところだと思うんですが、これはどのような観点で決めているんですか?
萩原「全世界約1万件のデータが入っていますが、"旅"というコンセプトに沿って、是非訪れて欲しいスポットを社内でセレクトしました」
――景勝地のサンプル写真と同じような写真が撮れる機能がありますね。
萩原「はい。カメラの景勝地マークを頼りにその場所に行くと、サンプルに近い写真が撮れるんです。これは今まで、社内はもちろん、他社製品も含めて初めての機能だと思います」
――今まで「GPS搭載」というと、単にEXIFに数値的な位置情報が付加されるだけのカメラが多かったですが、EX-H20Gでは、移動した軌跡や経路が地図上に表示できるところに大きな意味がありますよね。今まで「記憶」でしかなかった旅の思い出が、「記録」になる。写真という断片的な記録が地図上の移動軌跡を介して線で繋がっていくと、旅の輪郭が見えてきます。
萩原「記録だけでなく、行きたいところも探せます。カーナビのような経路誘導の機能はありませんが、記録された移動経路を参考にすることで、土地勘のない場所でもかなり役に立ちます。単純に地図代わりに使っても便利ですし、海外旅行をされる方は特に手放せなくなるのではないでしょうか。総じて写真とGPSは非常に相性がいいことを、私たちも開発を進める中で知ることができました」……写真+地図+GPSによる、新しい価値とは?