連載【Office for Mac 2011 新機能大全】
第1回 「Office for Mac 2011」登場! その進化のポイント
第2回 文書作成を助けるあんな機能、こんな機能
第3回 表現力アップ&便利になった「Word 2011」
第4回 パフォーマンスアップ&VBA復活で快適な作業環境
第5回 プレゼンテーションの表現力を高めるPowerPointの新機能
第6回 新登場の「Outlook 2011」は互換性とMac親和性を両立
第7回 さまざまな環境からの「Outlook 2011」への移行
・Office for Mac 2011の概要についてはこちら
「Office for Mac 2011」(以下、Office 2011)から注目の新機能をピックアップ、その実力を検証していく本連載。7回目となる今回は、前回に引き続きメール&個人情報管理ソフトOutlook 2011について、データのインポートや同期といったいわゆる“乗り換え”に役立つ機能をチェックしていこう。
なんといっても注目は、Windows版Outlookのバックアップファイルである「.pst」ファイルのインポートが可能になった点だ。旧来のEntourageでは、Windows版のバックアップファイルの取り込みはできず、ソフト乗り換えの大きなハードルとなっていた。
その点Outlook 2011では、Windows側で書き出した.pstファイルをインポートするだけで、メールはもちろん、予定やタスク、連絡先、メモもまとめてインポートできるのだから非常に便利だ。
Outlook 2011で[ツール]タブの[インポート]をクリックすると開くインポート用のウィザード。[Outlookデータファイル(.pstまたはolm)]を選択し(左)、[Outlook for Windows データファイル(.pst)を選択しよう。続く画面で取り込みたい.pstファイルを選択すれば簡単にインポートできる(右) |
ただしここで気を付けたいのが、メールを送受信するためのアカウントの設定情報は.pstファイルには書き出せないという点。メールの送受信ができる状態までOutlook 2011をセットアップした後、WindowsのOutlookから書き出したアイテムデータを取り込むという流れだ。
Outlook 2011では、初回起動時にメールアカウントのインポートまたは設定を要求されるが、ここでは他のアプリケーション(EntourageやApple Mailなどアカウント情報もインポートできるもの)を選択するか、手動で設定を済まる必要があるということだ。
また、Windows版Outlookで複数のアカウントを利用している場合は、アカウント単位でバックアップファイルを書き出し、Outlook 2011へのインポートもアカウントの数に応じて行う点もポイントだ。インポートしたアイテムデータは、.pstファイルと同名のフォルダに収められる仕組みになっている。
通常アプリケーションを旧バージョンから新バージョンへバージョンアップすると、新しい環境で旧バージョンのデータを利用できるようになるのが一般的だが、WindowsのOutlookからMacのOutlook 2011へのデータの取り込みはそのケースとは異なる。バージョンアップではなく、アイテムデータの取り込みを行うのだということを覚えておこう。
なお、インポートできるのは、Outlook for Windows 2003以降のUnicodeベースの.pstファイルのみとなっている。
旧バージョンのEntourageからOutlook 2011へのデータのインポートももちろん可能だ。こちらはアカウントの設定の継続、新旧データの受信トレイの統合など、いわゆるバージョンアップ的な利用が可能となっていて、Outlook初起動時の画面で[インポート]を選び、インポート元にEntourageを指定すれば簡単にデータを移行できる。