進化したQuickBootが登場
ユビキタスのブースでは、同社が先日発表したQuickBootのAndroidモードの紹介やFSLとの協業による高速起動ソリューションのデモを見ることが可能だ。
従来のスナップショットの機能では、変更したイメージを保存する前にシャットダウンしてしまうと、当然のことながら、イメージは保存されずに前回のイメージで再起動することとなる。また、きちんと操作した場合ではフラッシュメモリに書き込みが行われるが、フラッシュメモリには書き換え寿命があり、書き換え回数が増えればバッドセクタの発生にもつながる。
Androidモードは、こうしたシャットダウン時にフラッシュメモリにイメージを毎回書き込まず(それでもある程度の書き込みはあるとのこと)に終了させることと、QuickBootの高速起動性能を組み合わせたもので、普通に立ち上げても5秒程度で終了直前の状態で復帰することが可能となっている。
また、FSLの高速起動ソリューションは、同社のネットワーク待機応答LSI「MB86C36」とQuickBootを組み合わせ、例えばMFPのシステムすべてをシャットダウン状態にしつつも、MB86C36によりネットワーク部分だけは起きている状態とし、印刷命令などが送られてきたときだけQuickBootを活用して瞬時にシステムを起動させるもの。
1チップで実現できることから、MFPだけでなく、さまざまなネットワーク機器での活用が見込めるとしている。
なお、同社のソリューションは同社ブースのみならず、富士通ブースや村田製作所のブースなど、各所でもデモが行われている。
UML for HWの恩恵の提供を目指す
2010年1月に設立されたEDAツールベンチャのオーバートンのブースでは、同社がRTLより一歩先を行く次世代ハードウェア記述言語と評する「NSL(Next Synthesis Language)」に関するソリューションの紹介を行っている。 NSLの表面上の表記は、過去のRTLを利用してきたノウハウを生かせるよう、 Verilog HDLにもC言語にも似たものになっており、過去に蓄積したVerilog HDLやVHDLの設計資産についても、NSLを使った次世代設計にそのまま統合することができるほか、検証のためSystemCとNSLを統合することも可能だという。
また、意思疎通を図るための文書化ツールとしてUMLを導入しており、モデルベース設計による仕様決定と開発の促進を図ることが可能である。同社ではこれを「ハードウェア設計のためのUML(UML for HW)」と表現しており、受託開発現場で求められる要件に応えることが可能なツールとする。
なお、すでに同社にて同ツールを使って製造したハイスピード・ビデオ・コントロールLSI「CYNTHIA2シリーズ」の第1弾製品「NXC-360」が製品化されており、イノテックより販売されているほか、NXC-360はIPコアとしても提供している。