レースに勝ってmbedを貰おう

NXPセミコンダクターズ・ジャパンのブースでは、同社のCortex-M0/M4搭載マイコンを搭載した基板によるデモが各種行われている。

さまざまなボードによるデモを展示

また、11月20日、21日に東京工業大学大岡山キャンパスにおいても展示されていた「mbed NXP LPC1768」を活用した来場者参加型のデモ「mbed+チョロQ Time Trial」が行われている。

これは、展示会会期中毎日、常時開催されているイベントで、指定されたコースを自分が操作するチョロQで1週するというもの。1週のスピードを競うもので、その日の上位タイム5名にmbedがプレゼントされる。

チョロQは、運転席に赤外線の受光部があり、mbedでアナログコントローラからの情報を処理、処理された操作指示はmbedとつながっている赤外線発光モジュールから、チョロQへと送られる。

単純なオーバルコースのように見えるが、これが意外と難しい。オレンジの基板の上に見える青い基板がmbed

なお、結果は同社のTwitterアカウント「@nxpfan」にて確認することが可能だ。

このように@nxpfanのTwitterアカウントにてその日の最終結果が発表される。これは初日の最終順位

ロボットにも使われるマイコンをデモ

STマイクロエレクトロニクスのブースでは、昨日発表した同社32ビットマイコンの新製品STM32 F2の評価ボードを用いたIPv6の通信デモを行っている。これは、PCのWebカメラで撮影した画像をEthernetケーブル経由で評価ボードに送信し、PCと評価ボード上のモニタにその映像を表示するというもの。

STM32 F2を用いたIPv6のデモ

また、同じくSTM32を用いたものとして、デモではないが、岐阜県情報技術研究所が開発した水田用小型除草ロボット「アイガモロボット」が展示および、実際の作業風景の映像が流されている。

STM32で動くアイガモロボット

アイガモロボットは、アイガモ農法をより簡便に実現するために開発されたもので、2008年には経済産業省の「地域イノベーション創出研究開発事業」に採用されており、実用化に向けた開発が加速しており、2009年には水稲とマコモ栽培ほ場での除草実験も行われている。

走りまわる評価ボードとモーションセンサ

日本テキサス・インスツルメンツのブースでは、Cortex-M3を搭載したプロセッサ「Stellaris」用評価ボード「Stellaris EVALBOT」を公式に日本で初めて公開している。

同評価ボードは、Stellarisを用いたマイコン評価や学習向け小型ロボットタイプの評価キットで、μC/OS-IIをOSとして採用している。

「Stellaris」用評価ボード「Stellaris EVALBOT」。丸いところが自由自在に動き回る

EthernetやCAN、USB、H/Dコネクタなどのインタフェースを搭載しているほか、ワイヤレス通信拡張ポート、96×16OLEDディスプレイ、SDカードインタフェース、I2Sオーディオインタフェース、オンボード・インサーキット・デバッグ・インタフェース(ICDI)などを搭載し、単3電池もしくはUSBバスパワーにて駆動することが可能となっている。

また、ロボットとしての仕様は、2つのギアモータによる動作、方向変換が可能で、光センサによりホイール回転を45°分解能で検出できるほか、センサは段差も検出することが可能となっている。

このほか、同社では参考出展としてDM365もしくはOMAP35xxシリーズを活用したデジタルサイネージ応用コンセプトモデルの展示をデモコーナーにて行っている。

これは、赤外線センサとカメラ入力を用い、人間の手の位置を把握し、両の手によるジェスチャにより、コンテンツにさまざまなアクションをさせるというもの。デモでは、地球の各地方の地図をジェスチャで拡大すると、その地域特有の動物が表示、さらに拡大をジェスチャで指示するとその動物の紹介動画が流れる仕組みとなっていた。こちらの参考出展は、自社でのソリューションとしての展開する予定ではなく、こうしたこともできるという技術のアピールのためで、利用したいカスタマなどが居ればサポートも検討したいとしている。

デジタルサイネージ応用コンセプトモデルのデモも展示

FPGAによる柔軟性をアピール

ザイリンクスのブースでは、同社パートナー各社が評価ボードなどの紹介を行っている。ブース前面には、Xylonの魚眼レンズ補正評価キットを用いたラジコンカーのデモ「4カメラ・サラウンドビューシステムのデモ」が行われている。

これは、ラジコンカーの前後左右に設置された魚眼レンズ4つで撮影したクルマの周囲の画像に補正をかけてバードビューとして表示するというもの。デモでは、Spartan-6 LX45-Tが用いられ、1チップですべての処理を実現している。

ラジコンカーに4つのカメラを搭載して周囲をモニタに表示するデモ。モニタに映っている細長い左右の四角内の画像はブラインドコーナーを映したもの

元々はSpartan-3で同様のことを行えるソリューションで、今回はよりパワフルなSpartan-6での対応を示すデモとなっており、そのため、LX45-Tにはかなり未使用があり、さまざまな機能を追加することも可能となっており、ブラインドコーナー(死角)に入っている画像を表示する機能などの新機能が付加されている。

同展に併せて来日していた同社CEOのDavor Kovacec氏によると、FPGAを使うことで、さまざまなカメラインタフェースに対応できるようになるほか、カメラの数もスペックが許す限り増やすことが可能で、そうした点がASICと異なる利点とするほか、いらない機能も外して利用することも可能であり、すでに欧州の自動車OEMメーカーなどでは採用されているという。

また、同社ブースではこのほか、PALTEKによる10Gbpsのデモが行われている。これは、10Gbps対応のGTHトランシーバを搭載するVirtex-6 HXTを用いたデモで、Gennumのリピーターチップと組み合わせることで、光ファイバのみならず、同軸ケーブルなどでの10Gbps対応を可能とするソリューションの紹介となっている。

10Gbpsの通信デモ。左写真の下側の大きなボードにVirtex-6が搭載され、上側の丸い基板にGennumのリピーターチップが搭載されている