トレッキングにおいて重要なアイテムがいくつかあるが、バックパックもその中の1つ。使い勝手や背負い心地が良く、適切な大きさのバックパックを使えば、山歩きでの疲労は随分と軽減されてくる。今回はバックパック選びのコツを、アウトドア用品ブランド「コールマン」のPR担当・香田絵理さんに聞いた。
まずサイズを決めよう
ひと口にトレッキングと言っても、数時間の高原散策から1日がかりの登山まで幅が広いので、行く場所によって必要な荷物の量が異なる。さらに山小屋泊やテント泊まで考えているのなら、もっと荷物が多くなるだろう。場合によっては、日帰り用と宿泊用の2つの購入も視野に入れながら、自分が最も多く行く場所の荷物に合わせたバックパックのサイズを選択しよう。数時間の散策なら20L前後、日帰りでは25~40Lくらいの容量が目安だ。
ただし、容量の大きなバックパックほど、後述する疲れを軽減してくれる機能が充実している。小さいタイプだと入る荷物の量が少なく、またバックパック自体も軽いので、それほど疲れも出ないのだろうが、小さなバックパックに荷物をギリギリまで詰め込むくらいなら、機能が充実したワンサイズ上を買った方が疲れにくいだろう。ゆとりを持ったサイズ選びも重要なのだ。
軽さを重視するのなら、必要な機能を備えつつシンプルなデザインと軽量素材を採用したコールマンの「ウルトラライトパックシリーズ」がオススメ。お店に実際に行って、同じ容量の他の製品と重さを比較してみるとその軽さが良くわかるだろう。
ウエストベルトの大切さ
バックパックを背負ったときに生じる痛みや疲れは、背負ったバックパックが体から離れていたり、中の荷物やバックパック自体が揺れることで引き起こされる場合がある。まずは背負ってみて、背面が背中にフィットするかをチェックしよう。ショルダーストラップを調節しても背中にぴったりとフィットしない製品は、自分の体型に対して背面長が長すぎたり、ストラップ接合部の位置が理想よりも上にあると考えられる。ただし、スタビライザー(重心を安定させる機能)を持ったバックパックでは、背負った後にこれを引っ張ると背中にフィットさせることができる。加えて、ショルダーストラップを胸の位置で固定するチェストベルトも装備されていれば、なお安心だ。
ウエストベルトが装備されていると、バックパックを背中に密着させて揺れを防ぐと共に、肩への負担を驚くほど軽減してくれる。容量が大きなバックパックほど太くてしっかりしたウエストベルトが装備されていることが多い。一度背負ってみて、ウエストベルトが腰で安定しなかったりしっくりとこない場合は、ワンサイズ上の製品も試してみるといいだろう。
また、バックパックの側面や背面などに付けられたベルトと紐は、中の荷物が揺れ動くのを防ぐ固定具だ。そのほかに、ストック収納用の紐や水筒など入れることができるサイドポケットなども大抵のバックパックに付いているので確認しよう。