最後にベンチマークスコアを見ておきたい。グラフィックス関連のベンチマークでは本製品の液晶解像度である1,600×900ドットに設定。GPUについては、統合型グラフィックス(iGPU)使用時とNVS 3100M(dGPU)使用時それぞれに切り替えてのテストも行っている。

結果でまず目立つのはCPU性能の高さであろう。Windowsエクスペリエンスインデックスで6.9、PCMark05のCPUテストで8,000を超えるスコアをたたき出しており、このサイズのノートPCとしてはかなりの好成績といっていい。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

■PCMark05
iGPU dGPU
PCMark Score 6776 6791
CPU 8287 8190
Memory 6506 6503
Graphics 3063 3860
HDD 6523 6528

グラフィックス周りの性能は、統合型グラフィックスとNVS 3100Mの差もはっきり出ている。オンラインゲームでも新しめのゲームを高解像度で利用するのは厳しいが、ちょっと古めのオンラインゲームであればNVS 3100Mで楽しむことはできるだろう。もっとも、ビジネス向けノートPCという性格を持った本製品の場合、こうした性能を持つという事実以上の意味は見いだせないが。

■3DMark06 (1,600×900ドット)
iGPU dGPU
3DMark Score 1673 3050
SM2.0 527 1144
HDR/SM3.0 648 1061
■Vana'diel Bench 3
iGPU dGPU
FFXI-Low 4093 9533
FFXI-High 2644 6572
■モンスターハンターフロンティアオンラインベンチマーク「絆」 (1,600×900ドット)
iGPU dGPU
Score 574 819

ビジネス向けノートPCの場合、むしろ気になるのはバッテリ駆動時間だ。液晶輝度最大でVana'diel Bench 3のベンチマークモードのLowでループさせたさいの駆動時間が、9セルバッテリで3時間を切る程度に落ち着いた。統合型グラフィックスを利用することで多少伸びるが、3時間の壁は超えられなかった。モバイルPCとして考えてしまうと短く感じるかも知れないが、ACアダプタを持参する必要なく2~3時間の社内の打ち合わせ程度には適応できるという見方はできるだろう。据え置きメインであれば及第点といっていい駆動時間といえる。

■バッテリ駆動時間
iGPU dGPU
時間(時:分:秒) 2:57:40 2:38:50

このように、このリニューアルモデルはOptimus Technologyの採用というチャレンジが見られる製品であり、その魅力を堪能することはできる。ただ、製品の作りやCPU性能の向上というPCとしての基本的な部分は堅実さを持っている。新たなチャレンジを行いつつも、ビジネスノートとしての信頼感はThinkPadシリーズの良さを受け継いでいることが、もっとも重要なポイントではないかと感じられる。