読み出しエラーのUSBメモリからの復元

HDDやUSBメモリでは、その先頭には、ディスクパラメータ、MBR、パーティションテーブルといった重要な情報が記録されている。これらの情報が失われると、ファイルシステムとして正しく認識できす、図16のようなエラーがでる(一般的に論理的障害と呼ぶ)。

図16 フォーマットしますか?

もし、ここに必要なファイルがあった場合、どうすべきか?答えは「絶対にフォーマットをしてはいけない」である。フォーマットをすることで、新たな書き込みが行われ、ファイルを復元する可能性が低くなるのだ。フォトリカバリーでは、このような状態でもフォーマットを行わず、復元を行うことができる。実際にやってみよう。ドライブ選択では、[物理ドライブ]タブを選択し、ここからリムーバブルディスクを選択する。

図17 物理ドライブから選択

図16以外にも、論理ドライブで表示できない、表示されても「このファイル形式は対応していません」といったメッセージがでる場合には、[物理ドライブ]を試してみるとよい。次にパーティションの選択となる(図18)。

図18 パーティション選択

この例では、パーティションは表示されなかった。そのような場合は、[ファイルシステムを無視して、リムーバブルメディア1を開く]をクリックする(パーティションが表示されても、正しくスキャンできない場合はこちらを選ぶ)。図7、8が表示されるので、復元したいファイルや拡張子を選択する。ファイルシステムを無視する場合、スキャンは自動的にセクタスキャンとなるので、スキャン方法は指定できない(図19)。

図19 スキャン方法はグレーアウトしている

セクタスキャンが実行される(図20)。

図20 セクタスキャン

最初に触れたように、時間がかかる。あとは、デジカメ画像ファイルの復元と同じ手順となる。論理的障害が発生すると、一般的な方法では復元は非常に難しい。フォトリカバリーならば、このように復元してくれる。

復元で注意しておきたこと

フォトリカバリーといえども、100%確実に復元可能とは限らない。まずは、誤削除などの場合には、なるべく早くに復元作業を行うことだ。時間が経過すると、他のデータを上書きされ、復元ができなくなる可能性もある。また読み出し不可能なメディアの場合、上述のような論理的障害ならば復元可能なこともある。しかし、物理的にメディアが損傷している場合などは、不可能なこともある。操作ミスや論理的障害では、フォトリカバリーで、復元の可能性はかなり高い。いざというときのために、用意しておきたいソフトウェアである。