なんでも武器になる快感!
だが、こうした"怖さ"は「デッドライジング」というゲームのほんの一面でしかない。というか、恐怖はむしろオマケ要素であるとすら言える。
デッドライジングの本当の魅力は、豊富な武器とバラエティに富んだアクションにあるのだ。
たとえば皆さんが本当にアウトブレイクを体験したとしよう。ゾンビに襲われ、何とかこの場を切り抜けなくてはいけないというとき、あなたならどうするだろうか。
とりあえず目の前にゾンビが迫っているのなら、身の回りのものを何でもいいから投げつけたりするのではないだろうか。それでスキを作って、その横を走り抜ける。ぼくならそうする。
……しかしこの「身の回りのものを何でもいいから武器にする」という行動が、これまでのゲームではなかなかできなかった。なぜならそれがゲームの"お約束"というやつだからだ。武器はゲームの中で「これが武器だよ」と認められたものだけであり、弾が切れてもそのへんの植木鉢を投げつけることはできなかったのだ。
「デッドライジング」は、そのお約束を可能な限り取っ払っているのである。
たとえばレンチや野球のバットはもちろん、ゴミ箱やベンチ(!)に至るまで、そのへんにあるものをすべて武器として使うことができる。しかもそれぞれに固有のモーションが設定されており、使い勝手も武器によってまったく異なっている。このゲームは時間制限があるので、効率の良い武器を見つけるのが一つの攻略のポイントになるのだが、とにかく武器になりそうなものを見つけたらまずは振り回してみたくなる面白さがある。
このゲーム、やっぱりおバカ……?
そして最後に付け加えたいのは、「バカゲー」としての魅力だ。
映画が好きな人ならよくご存じのとおり、ホラー、とくにゾンビ物はコメディと紙一重であることが多い。というか、むしろもうこれギャグだよねと言いたくなる作品もたくさんある。つまりそれこそが、ゾンビ物の楽しみ方の一つなのだ。
「デッドライジング」はそこも外さない。
たとえば、本作では特定の武器同士を組み合わせることで、より強力なコンボ武器を生み出せるのだが(例:バットと釘で釘バット)、それをチャックが作っているときの効果音がどう聞いてもガムテープを切り貼りしている音だったり、お遊び要素として用意されているチャックのコスチュームになぜか女性物が混じっていたり……例を挙げればキリがないんだけど、とにかくそういう思わず一言ツッコみたくなるノリがあちこちにちりばめられているのだ。
こんな風に恐怖と笑いをうまくミックスさせた「デッドライジング」。いきなり本編をがっつりやるのはちょっと……という人には、ぜひ数時間で終わるお手軽な『デッドライジング2:CASE 0』をお薦めしたい。ストーリー的にもこっちをやってからだと時系列順に楽しめるしね。
それにしてもこのゲーム、ネジが何本かぶっ飛んでないと発想できなさそうな箇所がたくさんあるので、機会があれば開発者の頭の中をぜひのぞいてみたいものである。
ゲームタイトル | デッドライジング2:CASE 0 |
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対応機種 | Xbox 360 |
ジャンル | ゾンビパラダイスアクション |
発売(配信)日 | 発売中 |
価格 | 600円(税込) ※本製品はクレジットカードのみの購入となります。 |
CEROレーティング | Z (18才以上のみ対象) |
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