「シーバスリーガル25年」が日本上陸

ブレンデッドウイスキーの代表格「シーバスリーガル」。中でも12年は手軽に楽しめるウイスキーとして広く親しまれている。デパートやリカーショップなどで見かけたことがある人も多いのではないだろうか。そのシーバスリーガルの25年が、10月8日に日本国内でも発売された。このリリースに合わせて、スコットランドからマスターブレンダーであるコリン・スコット氏が来日。この貴重な機会に、インタビューを試みた。

マスターブレンダーのコリン・スコット氏。3代にわたりウィスキー造りにたずさわる家系に生まれ、オークニー蒸留所で育つ。1973年にシーバスブラザース社へ入社した後は、前任のジミー・ラング氏にブレンディングを学ぶ。1989年のラング氏引退と同時に、マスターブレンダーに就任

マスターブレンダーとは

マスターブレンダーとは文字通り、ウイスキーをブレンドする最高責任者のことである。俗にスコッチウイスキーと呼ばれているものには、スコットランドの1つの蒸留所で造られたモルトウイスキーを熟成させて製品化されるシングルモルトと、複数のモルトウイスキーとグレンウイスキーをブレンドして造るブレンデッドウイスキーとがあるのだが、シーバスリーガルは後者であり、マスター・ブレンダーはその異なる年数や樽で熟成された原酒を絶妙にブレンドして製品を造りあげるプロなのである。

大切なのは2つ。1つ目は「最終的にどういう味に仕上げるかを想像すること」。2つ目は「その味とクオリティーを保ち続けること」。1つ目に関しては、修練された舌とセンスを駆使してそれぞれの製品(シーバスリーガルなら12年、18年、そして今回発売された25年)の味を確立する職人的要素。そして製品化となれば、その商品は当然市場にあり続けなければいけないわけだが、ブレンドする前の原酒が永遠にあるわけではない。商品にするからには原酒はブレンドされてどんどんと減っていくわけで、次は別の原酒や異なった樽のものをブレンドして同じ味を保たなければいけなくなる。そうなると職人的素質は言わずもがな、2つ目おいては「今のロットがいつなくなって、次はいつ仕込んで、市場にはあと何年くらいはある」といった先々を読む大会社の経営的手腕までが必要になってくる。

つまり、マスター・ブレンダーは会社にとって守護神のような存在なのである。