黒部峡谷鉄道はこのほど、「機関車研修庫の公開」と「鉄道グッズ販売会」を行った。黒部峡谷は鉄道そのものが観光資源となっていて、全国から観光客が集まっている。イベントには鉄道ファン以外の観光客も飛び入り参加して賑わった。
朝の宇奈月駅に300両以上のトロッコ車両が並ぶ
黒部峡谷鉄道は、富山県の宇奈月駅と黒部川上流の欅平駅を結ぶ20.1kmの路線だ。トロッコ列車の観光鉄道として知られており、鉄道ファンだけではなく、全国から観光客が訪れる。観光鉄道と言えば、終着駅や沿線に有名な観光地があるという路線がほとんど。しかし黒部峡谷鉄道の場合は、列車そのものが目的となっており、景勝地を巡るトロッコ列車は、大自然を走る壮大なアトラクションだ。
当日、宇奈月駅前は大型バスが続々と集まっていた。筆者は富山地方鉄道の電鉄富山駅から急行電車で訪れた。地鉄の宇奈月温泉駅を出ると、黒部峡谷鉄道の宇奈月駅までは約200mの緩い上り坂。そこから黒部峡谷鉄道の構内が見渡せる。8時30分。トロッコ列車はすでに3便が出発していたが、構内には大量のトロッコ車両が並んでいた。黒部峡谷鉄道は機関車27両、客車138両、貨車155両、特殊車2両が稼働しており、総数322両の大所帯だ。中小民鉄では第1位の保有数とのことだ。
「パタパタ」が500円! 鉄道グッズ即売会
鉄道イベント第一弾は宇奈月駅前の「鉄道グッズ即売会」。いわゆる廃棄部品の処分市だ。駅間連絡用の電話器や連結環、信号灯、銘板、短く切断されたレールなどが並ぶ。価格はどれも500円~1,000円程度で、レールを枕木に固定する犬釘や滑り止めの砂などは100円。ちょっとした訪問記念として、観光客にも売れていた。滑り止めの砂は「受験のお守り」として人気があり、各地の鉄道会社で販売されている。黒部峡谷は急勾配も多いので効き目がありそう(?)だ。
一番人気と思われた部品は「パタパタ式案内表示器」で、裏側にあるダイヤルを回すと「空席 リラックス車」「満席 特別車」などの表示が切り替わる。頒布価格は500円とのこと。買って帰って愛車に取り付けちゃおうかと思っていたら、昼過ぎには売り切れてしまった。クルマの飾りに使えそうといえば、機関車に使われていた圧力計などメーター類もあった。きちんと梱包されて新品のような気もしたが、300円で売られていた。
この他、美しい写真を使ったポスターは500円。トロッコをモチーフにしたおもちゃは1,000円。来年のカレンダーは値下げして750円だった。販売開始前には鉄道ファンが並びつつ、品定め。販売開始後もしばらく行列が続いた。観光客の家族連れにも熱心に見つめる人たちがおり、文鎮としても使えるレールが人気のようだった。黒部峡谷鉄道はレールの断面が他の鉄道よりひとまわり小さい。それが功を奏して、文鎮として手頃なサイズになっているのだろう。