EOSシリーズでは初めて「カメラ内RAW現像」に対応したこともトピックの1つ。RAW記録した画像に対して、明るさ補正やホワイトバランス、ピクチャースタイル、記録画質、色空間、周辺光量補正、歪曲補正、色収差補正など10項目を設定して、JPEGデータとして出力できる。
また、ビギナー向けの機能として「表現セレクト機能」を搭載した。これは「風景」や「スポーツ」などの「かんたん撮影ゾーン」のモードを選択した際に、露出や発色の傾向を、専門用語を使わずに簡単に調整するための仕掛け。「くっきり鮮やかに」や「ふんわりやわらかく」など9種類の「雰囲気」と、「日なた」や「くもり」など7種類の「明かりや状況」を選べる。
操作面では、ボタンのレイアウトを従来機から一新した。まず背面は、液晶のバリアングル化にともなって、消去ボタン以外のほとんどのボタンを右側に集中配置した。電源スイッチは、背面の下部から左上部に移動。また8方向に押せるマルチコントローラーは、その位置と形状を変更し、背面のサブ電子ダイヤルの中に組み込まれる形となった。
ボディ天面には、AFモード、ドライブモード、ISO感度、測光モードの各専用ボタンを装備する。従来までのEOS中級機では1つのボタンに2つの機能が割り当てられ、機能に応じてメイン電子ダイヤルとサブ電子ダイヤルを使い分ける必要があったが、EOS 60Dでは「1ボタン=1機能」に改められた。分かりやすくまとまった操作系といえる。……つづきを読む