――1年の半分は海外で過ごされているとうかがいましたが。
田嶋:「JPSAという国内連盟ツアーが年間5戦、ASP(世界サーフィン連盟)の国内試合が年間3戦あります。僕はそれに加えて海外の試合もフォローしているので、年間を通じて最大で25戦くらい、と国内外で参加できる試合には全て出場するように心がけていますね。ブランクが空いて試合感覚が鈍るのが嫌なんです」
――その中でもやはり最大の目標はWCT(World Championship Tour)ですね。
田嶋:「そうですね。WCTはサーファーの間で"ドリーム・ツアー"と呼ばれていて、最高の波が来る場所で対戦相手と2人きりで試合が出来る非常に贅沢な、まさに夢のような大会なんです。まだ日本人で出場した人はこれまで誰もいませんので、ぜひ参加したいと思っています。
ケリー・スレーター選手という、9回ワールド・チャンピオンを獲っている選手がいるんですが、彼が今38歳ですから、僕の選手生命もまだまだこれから。経験と技術がピークを迎える30歳を越えてからが本当の勝負ですね」
――今でも充分ハイレベルなポジションにいると思いますが、さらに上に突き抜けるために何が必要だと思いますか?
田嶋:「ひと言でいうと『攻める姿勢』ですね。身体能力を含め、ただでさえ外国人選手の方がレベルが高いのに、僕ら日本人が抑えたサーフィンをしたところで勝てませんから。もちろんサーフィンの場合、その時の波やコンディションによって結果が大きく左右されますけど、大会を通して見るとやっぱり自分の100%、120%を出さない限り優勝には決して届きません。技術がないと勝てないし、技術があっても波に乗れなければ勝てないし、技術があって波に乗れてもメンタルが弱ければ勝てない。サーフィンはそれらすべてがバランスよく兼ね備わることが要求されるスポーツですが、強いて言えば僕はメンタルが最も重要だと思います」
――「攻める姿勢」という言葉は、田嶋さんの人生観にも通じますか?
田嶋:「そうですね……人生においても、攻めなければいけない時は必ずあると思います。自分の場合、今は家庭を持っているので守りに入るべきなのか、それともさらなるスキルアップのために先行投資をすべきなのか迷うところではありますが、30歳を過ぎてからの自分を引き立たせるためには今こそ攻めるべきだと思っています」
――そんな田嶋さんのメンタルを支えているものとは何でしょう。
田嶋:「妻(元モデルのMie)と息子です。妻には練習の時、フォームを細かくチェックするためにビデオカメラで撮影してもらっています。最初の頃は僕と間違えて別のサーファーをずっと撮ったりしてましたけど(笑)。目立つ色のウェットスーツを着て妻にアピールしています。
シンプルなメカレス構造を採用したことで、衝撃や粉じんにも強いという特徴をもつ、デジタルハイビジョンビデオカメラ「HDC-TM70」 |
iAズーム35倍を搭載し、「砂浜から遠い場所で練習しても大丈夫」。練習後は、海で遊ぶ息子さんの様子も撮影しているとか |
今は、3月に購入したパナソニックの『HDC-TM70』を愛用しています。ハワイなどでは、遠くのポイントでライディングしていることが多いので、ズーム時の手ブレを抑えてくれるのは助りますね」
――TM70にした決め手はなんでしたか?
田嶋:「編集のしやすさもありますが、練習だけでなく、海外遠征に行く時も必ず持ち歩いているので軽量(約300g)だということも大きかったです。これでさらに防水だと有難いんですが…(笑)」……つづきを読む