歴史とサイエンスが楽しめる、展示と見学コース

国立天文台三鷹図書室では洋書・古書などの貴重書も所蔵しており、天文台内の展示施設「天文台歴史館(大赤道儀室)」でその一部を展示している。取材に訪れた時は「渋川春海と『天地明察』」と題し、冲方丁の小説『天地明察』に関連するさまざまな古書が展示されていた。展示物は複製だが、一部のイベントなどでは原本を展示する機会も設けられたそうだ。ここは約半年ごとに展示替えが行われるが、次回10月23日から始まる「渋川春海と『天地明察』2」においても、初日のみ現物が展示される予定だ。

貴重書の展示コーナー。「貞享暦」「日本長暦」など、作中に登場する本を見ることができる

展示コーナーは「天文台歴史館(大赤道儀室)」にある。かつて観測に使用されていた建物で、直径15mの巨大なドーム天井を頂く

画角に収まりきらない巨大な65cm屈折望遠鏡。これを覗くために床が上下する仕組みだったそうだ。カール・ツァイス社の銘板がひっそり残る

この天文台歴史館以外にも、天文台内には一般の人が見学できるコースが設けられており、歴史ある天文台の古い建物や観測機器、現在行われている研究プロジェクトを紹介する展示室などを見ることができる。また、50cm公開望遠鏡による定例観望会や、3Dの天体映像を体験できる「4次元デジタル宇宙シアター」の公開が月に2回実施されるなど、様々な形で一般の人が天文・宇宙に触れる機会が提供されている。天文・宇宙好きの人なら、図書室と併せてじっくり楽しめるだろう。

「第一赤道儀室」「太陽塔望遠鏡」など、歴史ある建物が残っている

太陽系の大きさを14億分の1で体感できる「太陽系ウォーキング」

かつて使用された大型の観測装置を展示する「天文機器資料館」

10月22~23日、国立天文台の特別公開イベント「三鷹・星と宇宙の日」が開催される。天文や宇宙に関する講演会や観望会、通常は公開されていない施設の見学などが行われる予定だ。

利用案内 : 国立天文台三鷹図書室

住所 東京都三鷹市大沢2-21-1
電話番号 0422-34-3951
開館時間 平日(月~金)9:00-12:00, 13:00-17:00
休館日 土曜、日曜、国民の祝日、年末年始
料金 無料(入室手続きを行い、図書室利用証を着用)
アクセス JR中央線武蔵境駅または京王線調布駅より、路線バス「天文台前」下車
Webサイト 国立天文台国立天文台図書室