インタフェースも一新したノートン 360β
さて、ノートン 360βを起動すると図8のメイン画面となるのだが、大きく変化した。まず、画面の下に世界地図があり、複数の箇所で点滅を繰り返している。これは、シマンテックが検出した世界中の脅威をリアルタイムで表示する脅威活動マップである。
日本付近のポイントを表示したものが、図9である。
東京では10914個の脅威が検出され、ノートンの製品によって保護されていることがわかる。このように大まかな地域ごとの脅威が表示される。この日筆者が比較した結果では、アジアも脅威の数がかなり多いと感じた。さて、図9で[マップの詳細]をクリックすると、図10のようになる。
ここでは、検出された新種のウイルスなどが表示される。さらに[情報>>]をクリックし、脅威の内容から[詳細を表示>>]をクリックする。シマンテックのWebページが表示され、脅威の詳細が表示される(図11)。
ここでは、W32.Ackantta.H@mmというウイルスの詳細が表示されている。危険度、どのような活動を行うのか、といったことがわかる。同じく、テクニカルノートや駆除方法などでも、詳細な解説がある。ノートン 360などのセキュリティ対策ソフトを正しくインストール、運用していればウイルスに感染する可能性はかなり低い。しかし、このように最新の脅威についての詳細な情報を得られることも、とても興味深いといえる。
危険なWebサイトも一目でわかる
図6で右のボタン(緑色に白抜きのチェックマークが配置)をクリックすると、Nortonセーフウェブが起動する。ここでさらに[最近のNortonセーフウェブ活動を表示]をクリックする。すると、最近見つかった悪質なWebサイトのURLが表示される(図12)。
ここでも、表示されるURLをクリックすると、シマンテックのWebページに移動し、そのWebサイトの詳細な情報が表示される(図13)。
このWebサイトの評価は警告レベルとなっており、Trojan Horseというウイルスが検出しされたことがわかる(ウイルス名をクリックすると、図11が表示される)。
より安全性を高めるノートン 360β
一方、ノートン 360βの基本機能であり、もっとも根幹をなすセキュリティ機能であるが、こちらも着実な機能向上がはかられている。ノートン 360βでは、レピュテーションにより、これまでに蓄積された1兆件にも及ぶファイル評価から安全なファイルかどうかを判定する。図12は実際にファイルの評価を行ったところである。
これにより、安全なファイルはウイルススキャンの対象から除外する。結果、高速なスキャンが可能となる。同様の技術は、ダウンロードインサイトなどにも使われている。さらにSONAR 3では不正な動作を検知し、未知の脅威に対して対抗するものだ。特に、ゼロディ攻撃などに対し、効果が期待できる。ゼロディ攻撃はOSやアプリケーションの脆弱性を狙うものだ。ノートン 360βでは、脆弱性保護も行う(図15)。
図15はノートン 360βをインストールしたPCの脆弱性ではなく、それぞれのメーカーから公開された情報をベースにしている。実際に、その詳細を表示したものが、図16である。
ノートン 360βでは、これらの脆弱性を悪用した攻撃からも守ることができる。また、PCチューンナップでは、PCの状態を監視し、常に最適な状態に保つようにする。図17はその診断結果である。
ここでは2つの警告や注意が出ている。1つはOSのアップデートが行われていないこと、そして、メモリを増設すべきとある。シマンテックでは、ノートン 360β用のフォーラムを設置している。
このフォーラムではバグ情報も含め、使い勝手などの改善要求なども受け付けている。ノートン 360βを使用して、気になったことがあれば、積極的に利用したいものである。あなたの意見が、ノートン 360をさらに進化させ、より使いやすいソフトウェアとなる可能性もある。シマンテックでは、今回のβテストに参加したユーザーに対し、製品発売時に特別割引を予定しているとのことである。今回の機会を有効に活用したいものである。