ひまわり証券が提供する「エコトレFX」は手数料無料、使用料無料の完全自動売買FX取引システムだ。通貨ペア8種類、取引システム7種類を用意、日足・時間足も選べ、合計100種類程度のシステムから希望のシステムを選ぶだけで、後は取引から決済までを完全自動で行ってくれる。損益率はもちろんシステムによって異なるものの、最高のものでは年間損益率が20%を超えている。

前回は、9月15日午前10時30分過ぎに行われた為替介入によって、エコトレFXのシステムがどれだけの利益を上げたかを紹介した。最大のものは、『MAマスター ポンド円』で、+506ポイントという大幅なものだった(1万通貨で5万600円の利益)。

今回は、MAマスター以外のシステムがどのように動いたのか、うまく利益が上げられたものばかりでなく、利益が上げられなかったシステムについても紹介する。そうすることで、自動売買システムがどのような考え方で作られているかが分かってくるからだ。

為替介入後に相場の上昇に"きちんと"反応

MAマスター以外で、大きな利益を上げられたのは、『ブレイクサーファー ドル円』、『ボラティリティーランナー ドル円』だ。それぞれ+143ポイント、+146ポイントなので、1万通貨(最低証拠金1万7,000円程度、購入通貨額の2%)で、いずれも1万4,000円以上の利益を上げたことになる。

『ブレイクサーファー ドル円』

前回紹介した「MAマスター ポンド円」の利益5万600円から比べれば、小さく見えてしまうかもしれないが、通常の相場で+100ポイント以上の利益というのはそうそうあることではないから、やはりビッグチャンスをうまく生かしたといっていいだろう。為替介入によって、83円だった相場が85.9円まで上昇したのだから、約290ポイント。この二つのシステムは、上昇幅の約半分をとることができた。

半分になってしまった理由は、チャートを見れば一目瞭然。MAマスターの場合は、為替介入が起こる前にうまく買いポジションを持っていた。ある意味、ラッキーだった。しかし、ブレイクサーファーとボラティリティランナーは、為替介入による上昇に反応して買いポジションを入れた。その分、買いポジションをもつタイミングが遅れて、上昇幅を全て取ることができなかったのだ。

ブレイクサーファーは、直近一定期間の最高値を上回ったら買いポジションを入れるというロジック。為替介入が起こるまで、ドル円相場は下落し続けていたことに注意していただきたい。下落が続いていたために、為替介入が起こり、1円以上上昇したところで、直近一定期間の最高値を上回り、買いポジションを入れた。

同じくボラティリティーランナーも、ロジックはやや複雑なものの、やはり直近の高値圏を抜けてきたら買いポジションを持つというもの。これも同じく、為替介入のあと、1円以上上昇したところで、買いポジションが入った。

『ボラティリティーランナー ドル円』

前回紹介したMAマスターは、為替介入前の値動きで、たまたまうまく買いポジションを持てたシステムが、利益を取ることができた。そのため、為替介入による上げ幅をめいっぱい利益に転換するというビッグスコアを記録した。一方で、今回紹介したブレイクサーファー、ボラティリティランナーは、為替介入による上昇にきちんと反応して、買いポジションをもった。反応する分、ポジションをとるタイミングが遅れ、上げ幅全てを利益に転換することはできなかった。