関西に多数のレギュラー番組を抱える売れっ子・月亭八光。上方落語界の大御所・月亭八方の弟子にして実の息子、人懐こいキャラクターで爆笑ロケをこなし、来阪した先輩芸人の"接待"にも大活躍。今年8月には初の独演会を開くなど、本業の落語にも精力的に取り組んでいる八光とは? そのパワーの源に迫った。
月亭八光(つきてい はちみつ) |
――MCを務めている番組『ロケみつ?ロケ×ロケ×ロケ?』(毎日放送ほか)も東京をはじめ関西以外の地域でも放送されていますし、全国各地で八光さんの姿を見る機会が増えましたね。
月亭八光(以下、八光) : 「はい、ありがたいことに。他府県で放送されている関西の番組にもちょいちょい出させてもらってますんで、やんわりですけど知っていただくようにはなってますね。たまに東京の番組にも呼んでいただけることがあるんですけど、『噂は聞いてます』とかよう言われます(笑)」
――お笑いの世界に入ったきっかけは、やはり小さいころからお父さんである八方さんの姿を見て、自分も落語家になろうと?
八光 : 「いや、それは1ミリも思ってなかったです(笑)。もちろん落語はよう聞いてましたし好きでしたけど、子どものころはテレビでダウンタウンさんを見て夢中になった世代なんで、やるなら漫才やと思ってました。でも、いざこの世界に入ろうと高校3年の夏休みにオヤジについて劇場に行ったとき、落語ってこんなにおもろかったんやと改めて気づかされて、よし、落語や! と」
――そこで入門を決めたと。
八光 : 「入門は高校を出た年の4月からですね。卒業式は2月にあって、その日から弟子入りしようと思ってたんですけど……。3月の半ばに家族でラスベガスに旅行することになってたので」
――さすがお坊ちゃんですね(笑)。
八光 : 「そうなんですよ(笑)。で、家族といっても師匠の旅行に弟子がついて行くのはおかしいから、いっそ入門は4月1日からにして、最後の家族旅行を楽しもうと」
――4月からは親子ではなく、キッパリと師弟関係になると。
八光 : 「ちょうどそのとき相撲界では"若貴ブーム"で、親子であっても師弟関係のけじめはつけなアカンと。『うちも4月1日から若貴や!』と親子ともども意気込んで。ただね、その4月1日の朝、オヤジにテレビに生放送の仕事があったんですけど、僕、寝坊したんですよ(笑)。家でその生放送見ながら相当悩んだ末に、4月1日からという話は一旦忘れようと自分で勝手に決めまして(笑)。翌日から何事もなかったかのように仕事について行ったら、オヤジもえらいもんで僕をとがめることもなく……続きを読む」