衆議院議員の今井雅人氏による会場型FXセミナー「2010年末~2011年のマーケット展望」が6日、「品川THE GRAND HALL」( 東京・港区)にて開催された。主催はサイバーエージェントFX。今井氏が、経済の観点から2010年末~2011年のマーケット展望などについて解説したほか、質疑応答も行われた。

冒頭で今井氏は、中国やインドという新興国の急成長が二番底を防ぐとし、「(中国やインドも)第二ステージに突入して、国内消費が伸びてきている。先進国の弱いところを新興国がカバーできる状況になってきている」と見通しを示した。全体の見通しについては「これから来年にかけて景気は少し落ちるだろうが、急激な落ち込みは多分起きないだろう」と述べた。

今井氏はアメリカの景気について経済指標やIMFの世界経済見通しから解説。アメリカの経済成長率が3.3%、2011年が2.9%としたことについて、サブプライムローンの時に成長率が下がっているのに比べ、それを上回る回復にまで至っていないことに触れ、「アメリカの問題は、サブプライムローンで住宅市場が壊れたことから始まった。ここが回復しない限り、アメリカは立ち直れない」と説明。

米住宅着工件数・建設許可件数については「サブプライムローンの時より売れておらず、むしろ最低水準まできていて非常に深刻だ」と懸念を示した。また、失業率・非農業部門雇用者数では「一時期10%を超えたが、今も下がらず高いまま横ばい。ただ、ここにきて前月比雇用数が減り始めたので、また失業率が上がっていく可能性もある」とした。なお、失業率については、「オバマ米大統領がグリーン・ニューディール政策で最大400万人の雇用創出を打ち出したが、目標の雇用回復はまったくなされていない」と切り捨てた。

今井氏が「唯一これだけはよかった」と挙げたのは、ISM製造業・ISM非製造業景況指数。ただし、「リーマン・ショック以降右肩上がりだったが、ここにきて落ち始めている。現時点で株価は下がっていないが、あとで株価を多少下げる要因になるのではないか」とアメリカの株価が近いうちに頭打ちになるかもしれないことを示唆した。……つづきを読む