Galaxy Tabは、7型(1,024×600ドット)のTFT液晶を搭載したタブレット端末。国内でもiPadの登場でこうした端末への注目が集まっているが、iPadの9.7型に比べると一回り小さい。本体サイズは約191(H)×121(W)×12.1(D)mm、約382gで、iPadの半分程度の重さであり、「片手で扱え、スーツの内ポケットにも入る」(山田社長)という扱いやすさが特徴だ。

Galaxy Tab

本体を横にしたところ

背面にはAF対応有効320万画素CMOSカメラを備える。前面にも有効130万画素のCMOSカメラを搭載

電話機能も備えている

Galaxy Sと同じく、通知領域に画面回転のオン・オフ設定機能を備えている

サイズ比較。Nexus One、iPhone 4、Dell Streak、Galaxy Tab

スマートフォンに比べて画面が大きく、片手でも扱いやすい手軽な大きさということで、山田社長は「どこへでも持ち出せ、動画やゲーム、電子書籍をいっそう楽しんでもらえる。Galaxy Sと同等の充実したスペックで、ジャストフィットタブレット」と胸を張る。

大画面のため、WebサイトはPC並みの表示量を誇る

iPadとは異なり、音声通話機能や3メガカメラも搭載しており、4,000mAhの大容量バッテリにより、動画視聴時間は連続7時間、音声通話なら14時間の連続通話が可能。「消費者はより高い価値を得るため、新しいデバイスを求めている」(サムスン)という観点から高性能のタブレットを開発。Android 2.2を搭載してFlash 10.1もサポート。高解像度でWebサイトの閲覧も快適で、オフィスファイルや各種マルチメディアファイルの再生にも対応するほか、HDMI経由でテレビに1080pでの出力が可能だという。

参考展示されていたGalaxy Tab用のオプション。これはクレードルで、HDMI出力端子も備えている。横置きにも対応するが、発売は未定

外付けキーボードクレードル

ケース

山田社長は、Galaxy SやGalaxy Tabの高性能は「ドコモの高品質なネットワークを使うことで十分に生かされる」と強調。

Samsung Electronicsの無線事業部長 社長のJK Shin氏は、同社のフラッグシップであるGalaxy SとGalaxy Tabによって「すばらしいコンシューマ体験を届ける」と話し、日本のユーザーは洗練されたデバイスを求めているため、そのために最新のFroyo搭載やドコモサービスへの対応などを図ったとした。さらにGalaxy Tabについては「スマートメディアデバイス」と表現し、Webや映像、音楽などのあらゆるメディアを表示、再生できる点をアピールする。

Galaxy S/Tabは、いずれもドコモのサービスであるspモードやドコモマーケット、10月下旬開始予定の電子書籍トライアルサービスにも対応するほか、ゼンリンデータコムと提携してAR(拡張現実)アプリに情報を表示するなど、国内向けのカスタマイズも加えている。

10月下旬から12月までの電子書籍トライアルサービスでは、村上龍氏の「歌うクジラ」、月刊コミックゼノンなどが無償で提供される。Galaxy S/Tabともに対応する。こちらはGalaxy S(右)とGalaxy Tabで表示した歌うクジラの表紙

Galaxy Tabで表示したコミックゼノンの一部

こちらはGalaxy S

山田社長は、「今年は、携帯ユーザー全体の内10%がスマートフォンを購入するのではないか」と予測し、年度内100万台というスマートフォン販売の目標は「十分に達成できるのではないか」との認識で、さらにそれ以上の販売を目指す。現行機種のスマートフォンでは、Xperiaが50万台を超えているそうで、これにGalaxy S/Tabを加え、さらに11月には5機種のスマートフォンを発表する予定。スマートフォン普及に一気に弾みを付けたい考えだ。

従来の携帯電話(フィーチャーフォン)ユーザーでは、「スマートフォンでもフィーチャーフォンの機能を使いたいという人は多い」(山田社長)ため、Galaxy Sではspモードに対応したが、グローバルモデルということでハードウェアとしては「ワールドワイドで売られている国際版と同じ」(説明員)スペックのため、おサイフケータイやワンセグといった国内独自サービスには対応しない。

そのため、11月発表のスマートフォンでは、おサイフケータイやワンセグ対応機種もそろえる意向だ。山田社長は今後、iチャネルなどのサービスもスマートフォン対応させていきたい意向を示し、「こういうシーンで使いたい、というお客様にベストフィットの製品をラインナップしていきたい」(同)。

なお、Galaxy S/Tabで搭載されたAndroid 2.2では、携帯ネットワークを使ってPCなどでデータ通信を行うテザリング機能を備えているが、今回はこの機能は無効化されている。ドコモでは、「ユーザーの反応を見ながら(テザリング有効化の)検討をしていきたい」という考えだ。