メルシャンのワイナリーがリニューアル

山梨・勝沼で「メルシャン勝沼ワイナリー」として長きに渡り親しまれてきたワイナリーを、およそ1年の歳月をかけてリニューアル。名前も新たに「シャトー・メルシャン」として9月1日、再スタートを切った。

リニューアルした「シャトー・メルシャン」

都心から「中央自動車道を下って(標高は上がっていくのだが)勝沼インターでおり、今度は国道20号線2つ目の信号を右」という、かつて何度も訪れていた馴染みの道の先にもう以前の赤い屋根と白壁の建物はなかった。"シャトー"と名を改す限りは、シャトー(城)が構えている姿も多少は想像したが、そこにはシンプルモダンな立方体風の建物が佇んでいた。

「シャトー・メルシャン ビジターセンター」。足場のように見えるのはスクリーンで、ここに蔦がからまっていく

かつては事務所棟と売店だったこの新たな建物は、「シャトー・メルシャン ビジターセンター」となった。その名の通り基本的には見学施設で、地下のワインセラー見学や、セミナールームでのテイスティングが可能だ(要予約・次ページ参照)。ビジターセンターの前には、リニューアル以前からあった包装棟横に製造設備を新設し、セラーと貯蔵タンクの温度管理を徹底したり、容量違いのタンクを104本導入するなど最新鋭の設備を整え、年間生産本数を65万本から85万本(720ml換算)と増強した。

リニューアル以前からあった棟。メルシャンワインの書体がレトロ

「ワイナリーエリア」と位置づけたこのビジターセンターと醸造設備を抱するエリアを抜け、のどかな田舎道を歩いてトンネルを抜けた場所には「ワインミュージアムエリア」がある。ここには1904年(明治37年)に建てられたという日本最古の木造醸造所・旧宮崎第二醸造所跡がワイン資料館として残されており、日本ワインの歴史を知る上でとても貴重な資料や昔の醸造設備などを見学することができる。こちらはリニューアル以前から公開されていたが、美しい石庭のような中庭を挟んだ向いには「ワインギャラリー」が新設された。

「ワインミュージアム」。ワイン醸造に使われていた昔の設備や道具も展示

100円でテイスティングが可能

ガラス張りの明るいギャラリーの中は、軽食やおつまみが提供されるカフェスペースになっていて、天気のいい日はワイン片手にブランチを洒落込むとこの上なく気持ちがいい。カウンターでは「シャトー・メルシャン」のワインの大半がテイスティング可能。シャトー・メルシャンを手塩にかけて育てたプロたちがサービスをしてくれて、しかもテイスティンググラス1杯がほとんど100円(一部、300円のものも)という親切価格! 一日中カウンターにへばりついていたくなるほどだ。もちろんこれらのワインを買えるスペースもある。中にはここでしか買えない限定商品もあるので要チェックだ。

テイスティングカウンターでオーダーを。これだけ(写真左)試飲しても1,000円程度

ワインの試飲や食事ができる「テイスティングカフェ」。ワインショップも併設

「シャトー・メルシャン ランチプレート」(1,300円)。白ワインのグラスをつけると1,500円に。写真は「シャトー・メルシャン甲州きいろ香」