NASを複数人で共有する方法は、利用シーンの1と3で紹介した。この使い方は、ちょっと視点を変えると大変便利なコミュニケーションツールにもなる。
家族のコミュニケーションツールとして活用
子どもの成長を記録した写真や動画などをNASに保存し、外部からのアクセスを可能にしておけば、実家の両親に孫の成長をリアルタイムに伝えることができる。両親にiPhoneやiPadを贈呈して、デジタルフォトフレームのように使ってもらうというのはどうだろうか?
こちらも「マルチメディアステーション」を利用する。普段使用するフォルダとは別に、実家用のフォルダを作成しておき、そこに写真や動画を保存して、田舎の両親がアクセスできるよう設定しよう(図17)。マルチメディアステーションの画面上部のツールバーにある「アルバム管理」からフォルダの作成や写真・動画のアップロードが可能だ(図18)。
もちろんビジネスでも活用可能
ここまで、プライベート利用を想定した4つの利用シーンを紹介したが、もちろんビジネスシーンでも、iPhone×NASの組み合わせは便利だ。
自宅やSOHOオフィスのNASに、プレゼン資料やポートフォリオをアーカイブ化して保存。iPhone/iPadでアクセスできるようにしておけば、クライアントとの打ち合わせで、話の流れで出てきた過去の案件などもすぐに参照できる。NASとiPhone/iPadさえあれば、分厚い資料を持ち運んだり、ノートPCに膨大なファイルを保存する必要がなくなる。
この場合、利用シーン2の電子書籍の項と同様の使い方となる。「マルチメディアステーション」にWordファイルやExcelファイル、PowerPointファイルなどを保存しておき、iPhoneのWebブラウザからアクセスする方法だ(図19)。iPhoneでファイルを開く必要がなく、NASへのアップロードのみを確認したいファイルは、TS-119の「WEBファイルマネージャ」を使うのも良いだろう(図20)。「読み取り」、「書き込み」、「実行」の権限を細かく設定できるのが特長だ(図21)。
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ここまで5つのiPhone/iPad×NASの活用法を紹介した。これより到来する秋の行楽シーズンを機会にNASを購入し、「一歩先行く」iPhone/iPadライフを楽しんでみては如何だろうか? なお、iPhone/iPad×NASの組み合わせは、本稿で取り上げた方法以外にも様々な応用が可能だろう。iPhoneとNASを使いながら、新たな活用法を発見してみるのも面白いかもしれない。