使い勝手の面でも多くのこだわりが盛り込まれている。メニュー表示も全機能が同等に並んだ形から、基本機能へのアクセスを効率化し、拡張機能は一段下げた階層構造へと変更された。これは今後の機能拡大を見込んでの措置でもある。また、操作部の発光色を決めるためには輝度や色を細かく調整できるプロトタイプが作られた。光らせるタイミングや場所にも細かな工夫がある。

「たとえば、起動直後に使うのは上下ボタンなのですが、それだけを光らせても気付かない人が多かったので、サークルも光らせました。サークルを使わなくても操作できるのですが、これがあることで上下の光りが操作用ボタンだとわかりやすくなるのです。また、起動時に一瞬全体を光らせることで、どの範囲が操作部であるのかを示すという工夫もしています」と犬飼氏は語る。

サークルを中心とした操作パネル

「Intelligent Touch System」の基板

誰にでも使いやすい製品を目指し、全モデルで「CUD(カラーユニバーサルデザイン機構)」の認定を取得している。赤や緑などの色味をわずかに変えることで、色覚に問題を持つ人でも見やすい表示を実現しているのだ。開閉部にはダンパーを組み込むことで小さな子供のいる家でも安心して使える工夫がされている。

ヒンジを利用し、開閉時の衝撃を和らげている開閉部

ボタンの色については、このような装置でRGBの値を変更しながら、最適な色を見つけていったという

装置では、さまざまな色を作り出すことが可能

複合機初のカラーバリエーションもラインアップ

「見て欲しい、使って満足。これを裏切ってはいけないと考えています。今後はよりシームレスにインテリアと融合する複合機を目指したいですね」と語る犬飼氏は、今回のラインアップで初登場となるカラーバリエーションにも注目してほしいという。 「今回はシルバーも追加しました。デジタルカメラのカラーバリエーションがここ2年ほどで爆発的に増えていますが、あれは製品としての市場が成熟したからでしょう。複合機にも近くそうした流れができると考えています」

常に先を見据え、他社に先駆けたチャレンジを続けるキヤノンのこだわりが詰まった新しいPIXUSに、ぜひ触れてみて欲しい。

「MG6130」のみ、シルバーがラインナップされている