貴重な麦汁の試飲体験
見学途中、麦汁の試飲が体験できるのだがこれは非常に貴重な体験。その日によって試飲できる種類は異なり、この工場で製造されている「一番搾り」「キリンラガービール」「淡麗グリーンラベル」など4種類の中から選ばれる。取材時、キリンビールの広報担当の方に同行していただいたのだが、麦汁を飲んだだけで「これはグリーンラベルかな」と見事言い当てていた。さすが! 実際飲んでみると、「めちゃくちゃ甘い!! 」と思いきや、苦味の第二波が押し寄せてくる。複雑で不思議な味だった。
工場見学が終了すると、お待ちかねの試飲タイム。横浜工場でつくられるできたての「一番搾り」と「キリンラガービール」、他工場製ではあるが「一番搾り スタウト」の計3種類のビール、ソフトドリンクの中から2杯まで試飲が可能。「プハァ~ッ」と一杯やりながら、予備知識を入れてから飲むと今までと味わい方が違ってくるな、と感じる。さらに、ここまで案内してくれたガイドさんがビールのおいしい注ぎ方を教えてくれた。
1.まずは大きめのグラスを用意。グラスをまっすぐ持って、ビールをグラスのフチ付近から注ぎだし、次第に上へとビールの缶を持ち上げながら注ぎ続ける。
2.グラスの中が泡でいっぱいになるので、落ち着くまで待つ。泡と液体が1:1になったら、やさしくゆっくり、グラスのフチ付近まで再度注ぐ。
3.泡と液体が4:6になったら、最後にゆっく~りとビールを注ぐ。グラスのフチから泡が持ち上がってくるまで注ぎ続ける。泡と液体の比率は3:7が理想。こうして注ぐと、グラスを斜めにしてもこぼれないくらいしっかりした泡になる。
泡がカプチーノのフォームドミルクのようにふわふわ。自宅にある缶ビールでも注ぎ方1つで味わいが変わってくるとのことなので、ぜひ実践してみてほしい。「この方法で唯一の欠点は、時間がかかってしまうことなんです。すぐ飲みたいという時には、缶ビールを飲みつつ、この方法で最高の一杯を注いでくださいね」とにっこり微笑むガイドさん。さすが、勧め方がうまいね!
今回紹介したコースは、最も基本的な見学コース。他に有料となるが、「世界のビール~歴史とその魅力~」「ビールを楽しむためのビア・テイスティング」などのセミナーコースが用意されている。中でも人気なのが「ビールづくり体験教室」(料金は参加人数により異なり、1人2,800円~3,550円)。実際にビールの仕込み体験ができ、なんと約1カ月半後には自分でつくったビールが届く。キリンビールオフィシャルサイト内キリン横浜ビアビレッジページ内に詳細があるのでそちらをチェックしてみてほしい。
地ビールが楽しめるレストランも
また、横浜工場の施設内には2軒のレストランもある。「スプリングバレー」は、ミニ醸造所を併設したパブブルワリー。地ビール「スプリングバレー」「ヴァイツェン」「横浜エール」(各520円)と季節のビールを販売しており、このうち「ヴァイツェン」と「横浜エール」はこの店でしか味わえないので必見だ。
料理はビールに合う料理を基本に、「野菜のビール漬け」(450円)、「ドイツ風ポテトサラダ」(780円)といった軽めのおつまみから、「BBQスペアリヴ」(フルサイズ3,860円)、「スプリングバレー風パエリア」(1,980円)といった本格的なメニューまで揃う。自家製のスモーク類など、手をかけたものが揃う。客単価は3000円~3500円。工場見学のあとで、再度ビールをゆったりと楽しめるオススメスポットだ。
併設のブルワリーでつくられたオリジナルビールの飲み比べセット「オリジナルビールテイスティングセット」(680円)。各150ccので、まずこれを飲んで好みの味を探してみて。写真左より、「スプリングバレー」、「横浜エール」、「ヴァイツェン」。ただし8月中は販売休止で9月から復活 |
ベーコンやエビ、サバなどを盛り込んだ「自家製スモーク盛り合わせ」(1,680円)。2色のキャベツを使った「自家製キャベツマリネ」(380円)など、ビールにぴったりのメニューがズラリ
もう1軒の「ビアポート」では、全6種の樽生ビールと自家製ソーセージ、炭板グリルなどのメニューを提供している。両レストラン共に限定ビールも楽しめるとあって、近隣のサラリーマンや住民らで賑わっていた。
お盆が過ぎ、8月も残りわずか。ぜひ、めちゃくちゃ暑いうちにキリッと冷えたできたてビールを飲みに行ってほしい。きっと今夏のすばらしい思い出になることだろう。