「深体創工房」には、とりあえず自分の生活を把握してみるスタートプランである「からだはじめてコース」と、具体的に目標を定めて行動する「からだデザインコース」が用意されている。
「深体創工房」に用意されているコース
■からだはじめてコース | |||
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■からだデザインコース | |||
・短期集中コース(1カ月) | まじめに健康に取り組む(初級) | 1コース | |
楽しくからだをデザインする | 7コース | ||
からだを動かしてバランスを整える | 4コース | ||
・中期コース(3カ月) | まじめに健康に取り組む(中級) | 1コース |
「からだはじめてコース」では携帯電話を利用して手軽に活動記録をつけ、日々の体の変化や自分の生活パターンを認識することを目指しているコースだ。データは記録するだけでなく、きちんと振り返りができるような工夫もされている。記録されたデータはPCや携帯電話からサービスにログインしてグラフを見られるだけでなく、メールでも前日の記録が配信されるのだ。
「記録することは目的ではありません。レコーディングとフィードバックで、セルフモニタリングに導きます」と語る宮下氏は、「深体創工房」を活用して「なりたい自分」になって欲しいとも言う。それを実現するためのコースが「からだデザインコース」だ。
「からだデザインコース」には、1週間ごとの目標設定をクリアしながら短期間で取り組む1カ月のコースと、3カ月かけて目標を達成する中期コースがある。「短期集中コース」にはメタボ撃退など、まじめに健康に取り組むコースと、ちょい悪おやじ、セレブビューティーといった理想に向かって行動するコース、体のゆがみを整えるためのコースが用意されている。
「中級コースは、開始前に5分程度で終わる自己診断の質問に答えてもらいます。その結果から、パーソナライズされた行動プランを提案するためです。183個のプランの中から20個程度を提案し、効果の大小とともに出来そうかどうか判断していただき、5つを選んでもらいます。それを毎日達成することで、目指す自分に近づくという方法です」と宮下氏。
こうした取り組みで、まず自分の生活の中にある問題点を把握し、改善へと意識を向ける。毎日の小さな目標や、短いスパンでの達成度評価によってモチベーションを保ちつつ、健康増進を達成するのが目標だ。メニュー作成などにはWii Fitの監修で有名な宮地元彦氏のアドバイスも仰ぎ、ユーザーのやる気を引き出しながら健康を実現する工夫が施されている。
完全自社管理で安全性を確保し、サービスメニュー拡大も
データは、ゲートウェイサーバである「Fアグリ」を経由して自動転送される。ログを保存するのはPHRサーバだ。これらは全て富士通が自社管理しており、万全の体制で情報管理が行われる。将来的に、健康診断情報などを入れ込んでの活用にも対応するとなると、非常に繊細なデータを扱うことになるが、それを見越しての体制づくりだ。
このサービスは基本的に誰でも利用でき、FMVユーザー向けポータルサイト「AzbyClub」で使用できる「AzbyClubユーザー名」や@nifty IDを持つユーザーであれば、より簡単に登録が行える。「生活改善への意識づけと、健康増進への自発性を促すことを目的としたサービスです。ただ登録ユーザー数を増やすのではなく、活性ユーザーを2010年度下期には1万人獲得したいと考えています」と宮下氏。
富士通では今後、さらに記録項目の拡大や連携機器の増加なども含めて、サービスを拡充したいとしている。宮下氏は、「面倒なカロリー計算や食事メニューの入力を簡単にする方法も考えています。たとえば、携帯電話のカメラ機能で食事メニューを撮影し、カロリーを自動的に算出するなど、富士通の技術をたっぷり盛り込んで、便利なサービスにしたいですね」と笑顔で意欲を見せる。