KDDIは28日、au携帯電話のエリアや通信品質向上に関する取り組みについての説明会を開催し、通信状況の改善への対策を紹介した。
携帯電話を利用しているユーザーの満足度において、いつでもどこでも通話や通信が行えることは重要な指標であり、各社はエリア拡大に取り組んでいる。
KDDIでは、全国にあるすべてのゴルフ場クラブハウス(2,350カ所)、サービスエリア・パーキングエリア(900カ所)、道の駅(940カ所)、大規模商業施設(15,000カ所)などをエリア化する、自宅の通信環境を改善する、という2点の「約束」を掲げている。
このうち、自宅の通信環境改善では、通話ができなかったり途切れたりするユーザーを対象に、そのユーザーが「みんなでつくろう!auエリア」から申し込むと、「原則48時間以内」にサポートセンターからの電話連絡があり、その後調査員が調査をして、結果に応じてレピータや簡易アンテナ、そして7月からからは超小型基地局のフェムトセルを無料で提供する取り組みを行っている。
2009年6月から東京23区で同サービスを開始。同年12月からは全国でサービスを行っており、今年6月時点ですでに15,000件の訪問を行い、94%のユーザーが満足する結果になっているという。例えば、レピータを設置したことで、通話発信時の接続時間が40%改善し、音声接続の失敗(レピータ設置の50%)、音質劣化(同)もほとんど(それぞれ0%、5%)解消されたようだ。
レピータを設置したことによる品質の改善 |
携帯の基地局は、下方向に向けて電波を放出しており、高層階では電波が届きづらい。商業施設でないマンションのような場合は高層階に行くほど通信品質が低下していた。それを解消するのがフェムトセル |
06年から同社では、「みんなでつくろう!auエリア」や顧客満足度調査、トラフィック分析による利用動向調査、フィールド調査などを実施し、そこから品質向上に関する取り組みを行っている。
しかし、WIN端末の月間データ量は、直近の3年間で約3倍に伸び、さらに発売したばかりのスマートフォン「IS01」では、通常の携帯に比べて9倍のデータ量が利用されているそうで、データトラフィックは拡大を続けている。
通常の携帯においては、データ通信の9割がEZwebの利用で、YouTubeなどの動画系、モバゲーなどのSNS系が拡大しているという。利用動向では、メール送受信が全体の7割を占めているものの、1.5MB以上の大容量ファイルのやりとりが3割に達するEZwebはデータ量の大部分を占める形になっている。データ定額制の導入によって、音楽や動画、ゲーム、書籍などのダウンロード系のコンテンツが大容量化し、通信速度も高速化したことなどがその要因で、従来の音声向けのエリア設計だけでは急増するデータトラフィックをさばけなくなっているわけだ。