先住民族サーメ人から食されてきたトナカイ肉
魚貝からは外れてしまうが、意外なところではトナカイ。驚かれるかもしれないが、北ノルウェーでは「肉といえばトナカイ」となるほどポピュラーな食材で、先住民族であるサーメ人に親しまれてきた。今回はトナカイを使ったポトフをいただいたが、「やや野性味のある牛ホホ肉」といった印象。ホロホロと崩れてしまうほどのやわらかさで、赤身肉なので脂っこくも無く、食べやすい。
他にはローストもいただいたが、緻密な肉質でしっとりとした舌触り。付け合せにはキャロットプディングとリンゴンベリーが添えられていた。リンゴンベリーとはブルーベリーやラズベリーなどベリーフルーツの一種で、酸味が強め。北欧では、このようにデザート以外にもよくベリー類が登場する。特に北極圏ではビタミン補給のため、積極的にベリー類を摂取するのだとか。酸味のあるベリーフルーツは肉料理とも相性抜群。生活の知恵、というよりかは普通においしくいただける組み合わせだ。
ヤギチーズなのにスイーツのよう
また、ノルウェーグルメの中で個人的にオススメしたいのが「イエトオスト」というヤギのチーズ。ヤギというと独特のクセがあるタイプを想像しがちだが、このチーズはキャラメルのような色合いで、味もキャラメルのようにねっとりと甘い。パンにこのチーズのスライスをのせ、半熟の目玉焼きをトッピングしたものを朝食でいただいたが、チーズの塩気と甘みを卵黄のコクが包みこみ、最高! ノルウェーのホテルでは大抵朝食で登場するのでぜひ食べてみてほしい。
さらには、別記事で紹介した"世界最北"を謳うビール工場「マックビール」もあり、かなりそそられる。実は、といっては語弊があるかもしれないが、ノルウェーはなかなかグルメな国なのである。きっとグルマン(食いしん坊)なアナタも満足することであろう。
取材協力: スカンジナビア政府観光局