前夜祭には、あのミュージシャンも登場!

日も沈み、19時30分。ついに1/1ガンダムの第2ステージを祝う前夜祭が始まった。オープニングテーマはもちろん「翔べ! ガンダム」

バンダイ社長にして、ガンダム関連商品を統括するCGO(チーフ・ガンダム・オフィサー)でもある、上野和典氏があいさつ

続いて静岡市長である小嶋善吉氏があいさつ

突如炎が吹き上がり『機動戦士ガンダムSEED』の主題歌「Invoke」とともに、奥からひとりの人物が壇上へ

ビームサーベルを携えて登場したのはT.M.Revolution西川貴教! ガンダムサポーターを代表して駆けつけた

西川がビームサーベルを振りかざしたタイミングで、周囲の演出もさらにヒートアップ!

ガンダムが持つビームサーベルの台座部分に、西川もビームサーベルを突き立て、1/1ガンダムの魂に火が灯る

ガンダム起動――。そして前夜祭だけの特別演出が施されたライトアップショーへ

新装備のビームサーベルも鮮やかにライティング。富野由悠季総監督が絵コンテを、アニメーターの重田敦司氏が原画を手がけている

動画
ライトアップショーのクライマックス部分を抜粋。レーザーや炎に加えて『機動戦士ガンダム00』『機動戦士ガンダムUC』といった最新作のBGMで前夜祭は最高潮へ

ライトアップショーを終え、ステージには西川(右)と30年前に最初のガンプラの図面を引いた、バンダイの村松氏(左)が登場

西川から村松氏へ、ガンダムとガンプラへの思いを綴ったメッセージがが朗読された

お返しに村松氏からは西川へ、この日のために用意したという特製のガンプラを贈呈

「すばらしいこの瞬間を迎えられるのも、ある方のおかげではないかと思います」という西川の言葉で、サプライズゲストの富野由悠季総監督が壇上へ

1979年放映のアニメ『機動戦士ガンダム』を監督し、歴代作品にも携わってきた富野氏。1/1ガンダムを前に「(最初のガンプラから)30年経ったらこれです」と喜びを語る

富野総監督の「行きまーす!」の掛け声とともに花火でフィナーレを飾った

フォトセッションから。左よりバンダイ上野和典社長、富野由悠季総監督、T.M.Revolution西川貴教氏、小嶋善吉静岡市長

ガンダムの生みの親と、ガンダムで育った世代のアーティストが固い握手

1/1ガンダムと富野総監督&西川氏。ガンダムとガンプラは新たな30年へ向かって踏み出す

前夜祭に出席した関係者のコメント

■上野和典(バンダイ代表取締役・チーフガンダムオフィサー)
「昨年の夏にお台場で1/1ガンダムを公開させていただいて、今年はガンプラ30周年を記念しての東静岡のイベントです。30年前にガンプラを諸先輩方が開発して以来、いまもこの会場のすぐそばのバンダイのホビーセンターで作り続けています。バンダイはいろんな商品を作っていますが、ほとんどが海外生産です。ただガンプラだけはメイド イン ジャパン、メイド イン 静岡にこだわり続けています。これからも世界の模型首都・静岡の名に恥じないよう、さらに進化を目指してハイグレードなガンダムを作り続けたいと考えています」

■小嶋善吉(静岡市長)
「ちょうど1年前、お台場でガンダムが立ったときに(バンダイから)相談を受けまして、『それじゃ見に行かなきゃいけないな』とお台場に行きまして、感激しました。『これはぜひ静岡に』と思ったのはいいんですが、その後が大変で、だんだんハードルが高くなったんですが、今日このように無事ガンダムが立つことになりました。いまの世相あまりいい話はありません。そういうなかで明るい話題として、ガンダムが来ることを本当に多くの市民が心待ちにしていました。静岡にとっては数年来では最大のイベントだと思っています。今日から8カ月間、静岡市民、県民、全国の人、できれば外国の人もここに来て、感激を味わっていただきたいと思います」

■西川貴教(ミュージシャン)
「あの頃、僕たちはテレビのなかのガンダムに夢を抱きました。アムロになりたいという夢です。モビルスーツに乗って人々を救い、地球を守りたい。少年だった僕の心に正義とは何かを教えてくれました。宇宙と未来を想像するきっかけをくれました。そして躍動するガンダムには、ほかでは味わうことのできない特別な高揚感を与えてもらいました。僕は、ただただ目をキラキラさせてガンダムを見ていたんだと思います。テレビのなかのガンダムが自分のなかでいきいきと動き出す。そんな自分の作ったガンプラの背景には無限の宇宙が見えていました。こんなにもイマジネーションを刺激してくれる存在。それがガンプラです。作ることの楽しさ、想像することの楽しさ、大人から子どもまで、いまも昔も、そしてこれからも心をときめかせてくれる唯一無二の存在。それがガンプラなのです。僕もガンプラで育ったひとりとして、心から感謝の言葉を贈らせてください。ガンプラに出会えて本当によかった。ありがとうガンプラ。そしてありがとうガンダム」

■富野由悠季(『機動戦士ガンダム』監督)
「僕の世代はお風呂を沸かすための薪を使って、それを切り出してソリッドモデルを作った世代です。そしてこの地で日本で初めて作られたプラスチックモデルのノーチラス号を組み上げました。それ以来なんです。アニメーションを始めて、ミリタリーものだけではなくて、アニメからの作品、つまりオリジナルモデルをなんとかプラスチックモデルでできないかと本当に念じておりました。そしてこういう方(=バンダイ村松氏)が手がけていただいた。そして30年経ったらこれ(=1/1ガンダム)です。また30年経ったら、きっとみなさんと一緒に宇宙を飛びたい。現在おそらく5歳か10歳か15歳かのみなさんが、そういうことを実現してくれるんじゃないかと思っています。そういうための目印として、このガンダムが今日この誕生の地に立ったことをとてもうれしく思います。これから未来のまた30年に向かってファイヤー、行きまーす!(炎が吹き上がる)」

空想世界のロボットだったガンダムが、ガンプラという一種の依代を得て飛躍し、ついに現実世界で巨大な姿を獲得するまでに至った今回の一大プロジェクト。ひと夏で約415万人を動員したお台場での公開に続いて、2011年3月までの8カ月間でどれだけの人がガンダムの勇姿を目にするのか、大いに注目したい。

(C)創通・サンライズ