全ラインナップを4本バスバーとして提供
三菱電機のブースでは、2010年10月に発売を予定している国内公共・産業用「大出力無鉛はんだ太陽電池モジュール(形名:PV-MGJ230AAF)」 などの展示が行われている。
同モジュールは、対環境性を意識したモジュールとなっており、プロダクションバーによる積雪への対応などが図られている。また、海外向けセルに同社が開発した4本バスバー技術を組み合わせており、これで同社の産業用、国内一般住宅用、国内産業用のすべてのa-Si太陽電池のラインナップで4本バスバー製品が整ったこととなり、従来の2本バスバー製品は終息することとなる。
なお、4本バスバーは、バスバー電極の幅を狭くしながらも、バスバー電極とタブ電極を接続する際のズレを同社の画像検知技術を活用することで位置決め精度の向上を図り、実現しているものとなっており、これにより、セル1枚あたりの出力が従来の2本バスバー比で3%ほど向上させることに成功したとしている。
なお、同社は2010年度中に単結晶Si太陽電池の生産を開始することを決定しており、2011年度以降、早期に実現する計画の中津川製作所飯田工場および京都工場で予定されているa-Si太陽電池モジュールの生産能力600MWへの引き上げとあわせて生産能力の強化とラインナップの拡充が図られる見込みとなっている
バックコンタクトの活用でモジュール面積を低減
東芝のブースでは、バックコンタクト(裏面接続)方式を採用した太陽電池モジュールの紹介などを行っている。電極配線をセルの背面に配置することで、単結晶セルとして変換効率21.5%を実現しており、210Wの太陽電池モジュールで変換効率16.9%を実現したことで、一般的な同出力のモジュールと比べてモジュール面積を約20%低減することに成功している。
同セルは米SunPowerと同社が共同で開発したもので、反射防止膜の工夫などを行うことで、高い変換効率を実現したという。
また、現在、OEMとして外部メーカーから提供されているパワーコンディショナについては、現在、自社設計、製造が進められており、2011年には自社製のものが提供される予定となっている。
大面積化とバックコンタクト技術で高変換効率を実現
京セラ/京セラソーラーのブースでは、トヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」のオプションで提供されるサンルーフタイプの太陽電池などが展示されている。
ブースの中央には、外形寸法1662mm×990mm×46mmの235Wモジュールのほか、量産準備中の試作品である195Wモジュールも展示されている。同195Wモジュールには、同社が開発した150mm□セルで変換効率18.5%を達成した技術を応用した156mm□セルを採用。バックコンタクト技術とあわせることで、それほど大きくない面積で195Wの出力を実現している。