性能ベンチマーク
それでは、実際にベンチマークテストで実力を見てみよう。比較用にPhenom II X6 1055Tの125W版を用意したほか、主なテスト環境は以下の表の通りだ。
Phenom II X6 1055T(95W版) | Phenom II X6 1055T(125W版) | |
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M/B | ASUS Crosshair IV Formula (AMD 890FX+SB850) | |
Mem | Corsair DDR3-1600MHz CL8 2GB×2 | |
GPU | ATI Rdeon HD 5670 512MB | |
Driver | Catalyst 10.6 | |
HDD | Seagate 7200.11 1TB | |
Power | Seasonic SS-700HM 700W | |
OS | Windows 7 Ultimate 64bit |
まずはCINEBENCH R11.5で処理能力をテストしてみた。ここで性能が落ちているなんてことは無いだろうが、念のためである。結果はご覧の通りで、ほぼ同等のスコアがキチンと確認できた。
それでは肝心の消費電力を見てみたい。計測にはいつもの「ワットチェッカー」を用い、システム単位の消費電力を確認している。アイドル時の消費電力はCool 'n' QuietのON/OFF時でそれぞれ計測し、ロード時の消費電力としてはCINEBENCH R11.5実行時のピーク値を採用している。
確実な省電力化で価格差も少なくオススメ
もともとPhenom II X6 1055Tは、最新の6コアのシステムが組めるにもかかわらず、2万円程度という心理障壁の少ない価格帯に登場したことで人気を博したCPUだ。今回、さらに"省電力版"という、特に日本国内の多くのDIYユーザーの琴線に触れる特徴を、価格帯を殆ど変えずに盛り込んできたわけだ。その省電力化の具合はテスト結果の通り明確で、少なくとも新規購入なのであれば、この程度の価格差であえて従来の125W版を選ぶのはあまり良い選択とは思えない。
最後に注意点をひとつ。現在店頭で発売になっているTDP95W版のPhenom II X6 1055Tだが、今のところ従来の125W版も併売されている上に、筆者が確認したかぎり、製品パッケージの見た目などでは125W版との違いがいまいちわからなかった。しばらくはヒートスプレッダのOPN刻印などで見分けるしかなさそうな感じなので、購入時はショップ側によく確認してからの方がよさそうである。