「書けまっせ!!PDF4」は他のPDFファイル作成ソフトと何が違うのか
基本的にPDFファイルを作成するソフトと言えば、「Adobe Acrobat」を思い浮かべるだろう。しかし、盛り込まれた様々な機能をフル活用するのは難しい。「PDFファイルに文字や写真を貼り付けて加工したい」というユーザーにとっては、多少敷居が高い。
そこで各ソフトメーカーからPDFファイル作成ソフトがラインナップされているわけだが、「書けまっせ!!PDF4」は他の製品とは異なり、アンテナハウスが培ってきた長年のノウハウを投入してPCで見たまま加工することが可能で、"誰もが"使いこなせるように工夫されている。
「書けまっせ!!PDF4」の基本画面がこちら。ウィンドウ上部に各種メニューが配され、サムネイル、描画エリア、各種プロパティ情報が表示される3ペイン構造になっており、フロート化したり位置を自由にカスタマイズすることが可能だ |
例えば、製品のタイトルにもある"書き込める機能"。ベースとなるPDFファイルを「書けまっせ!!PDF4」で開き、 [挿入]メニューから[テキストボックス]を選択し[クリックして自動作成]もしくはツールバーの[テキストボックス]ボタンをクリック。
そして、テキストを挿入したい場所をワンクリックしよう。すると、PDFファイルの枠線を自動で解析して最適な書き込みスペースを作成してくれるのだ。この機能は、ベースとなるPDFファイルに編集禁止等のセキュリティ機能が付加されている場合においても有効で、文字や図形を書き込む、ドラッグ&ドロップで直接加工しているファイルに写真データを貼り付けるといった加工ができる。
貼り付けた写真をトリミングするといった描画サイズの調整を行うことも可能だ。また、「書けまっせ!!PDF4 プロフェッショナルPlus」に至っては、ペンタブレットを用いた手書き入力にも対応。より直感的にPDFファイルに手を加えることが可能だ。
さらに、PDFファイルのクオリティを損なうことなくそのままの品質で扱うことができるため、CADで作成したA3サイズを超えるような製図データや、簡易校正などで出力した数百ページに渡る文書の加工にも耐えうる性能を有している。もちろん、PCで見たまま書き込んだものは、全体のテイストをそのままに印刷出力する、PDFファイルとして保存することができ、文書のクオリティコントロールを意識せずとも行えるというメリットも併せ持っている。
Excelも真っ青! PDF上で表計算も
PDFファイルによっては、旅費の申請書や決算報告書など数値を書き込むものも多い。しかし、ファイルを修正するたびに電卓を引っ張り出して計算して書き込んで……というのでは手間が掛かりすぎて面倒。そんな面倒を解消してくれる機能が「書けまっせ!!PDF4(プロフェッショナル、プロフェッショナルPlus)」には盛り込まれている。表計算ソフトのようにPDFファイル内の計算式を埋め込み、カンタンに集計を行うことが可能だ。
テキストボックスにカーソルを合わせて右クリックし [式]を選択することによって、合計を求める"SUM"関数や現在の日付を求める"TODAY"関数といったものから、"IF"や"SUMIF"などの条件分岐関数、"AND"や"OR"といった論理関数までサポートしている。
また、すべてのグレードに[表示形式]機能が用意されており、通貨や数値、日付等を美しく表示することが可能となっている。関数を入力するための書式などの基礎知識を学ぶ必要はあるが、これらを使いこなせば単にPDFファイル作成ソフトの域を超えた活用の仕方も生まれてくるだろう。
「書けまっせ!!PDF4」でサポートされている関数のリストがこちら。これらを自在に使いこなせれば、単にPDFファイル加工ソフトとしての用途ではなく、もっと新たなジャンルのソフトとして位置付けられるのではないだろうか |
また、ExcelファイルやCSVファイル等のデータを取り込んで流し込む差込フィールド機能も大きな魅力のひとつと言っていいだろう。例えば、請求書などの定形のPDFファイルのひな形が存在し、「原稿料」や「取材日当」といった会計科目、それに付随した単価のExcel及びCSVファイルのデータがあったとしよう。
すると、このように文字や数値が自動で入力される。請求書や納品書などを大量に作成する場合などには、[出力時繰り返し]設定を利用すると最後のページを複写しながらデータを流し込んでくれるなど、より利便性が向上するぞ |
写真のように、 [挿入]メニューより[差込フィールド]から[クリックして自動作成]を選択し、データを流し込みたい場所をクリックしていく。そして、ひとつひとつに差し込むデータを指定していけばオーケーだ。
汎用性に優れ出力も綺麗。そして作業効率もUP! それが「書けまっせ!!PDF4」の真髄
PDFファイルに様々な加工を施す。しかも、全体のデザインテイストを崩すことなく美しく。加えて、誰もが操作できる簡単な操作体系でありながら関数を用いて複雑な処理を行うといった「ひと手間」を加えれば無限の可能性が広がる。それらを具現化しているのが、この「書けまっせ!!PDF4」の真の姿と言えよう。
次回は、実際に様々な様式のPDFファイルを用いてより実践的な使いこなし方を紐解いていこう。