全国から運ばれてくる生乳
スタッフが工場内を案内してくれる |
いよいよ工場見学。その間、巨大な生乳のタンクが何本も林立している通路を通る。タンク1本にはなんと100tもの生乳が入っているのだとか。全国の酪農家からタンクローリーやフェリーで運ばれた大量の生乳は、厳しい品質チェックを経てから、このようなタンクに入れられるということだ。
工場は24時間365日、フル稼働。広大なスペースにいくつもの製造ラインがあるが、オートメーション化されており、人手に触れることなく清潔で安全に製造されている。
牛乳の製造ラインを見ると、まず清浄機(クラリファイヤー)が登場した。こちらは、生乳を高速の遠心分離機で回転させることで目に見えない小さなチリなどを飛ばす機械。次に前述の「脂肪球」を均一化させる均質機(ホモジナイザー)がお目見え。その脇で、殺菌を終えた牛乳が次々と瓶やパックに充填されていく。ものすごいスピードで次々と!
ちなみに多摩工場では、一日に100~150アイテムの牛乳商品が製造されているのだが、ここで生産された商品には、賞味期限の記載項目欄に「CO」と刻印される。そんな豆知識を仕入れ、「今度、牛乳を買う時は、絶対確認してみよう! 」と決意したのだった。
工場見学が終わると、先ほどの説明会場へ戻った。その間、どこからともなく甘~い紅茶の香りが……。「きっとこれは『Lipton』の香りだね、いま、つくっているのかも」と見学者同士で盛り上がる。同じ敷地で「カフェ ラッテ」も製造されているので、芳醇なコーヒーの香りが漂う時間帯もあるのだそう。
チーズづくりで見学は完結
最後はチーズづくりに挑戦した。用意されたのは牛乳100cc、酢(米酢やレモン汁など)小さじ1、カナッペ数枚。あとは茶漉しやスプーンなどがあれば、5分ほどで簡単につくることができる。
まずは80~90℃に温めた牛乳に酢を加え、スプーンでゆっくり5回かき混ぜる。ここでぐるぐると早くかき混ぜてしまうと、チーズの繊維が細かくなりすぎてしまうので要注意。「ゆっくり、丁寧に」がコツ。
次に茶漉しで裏漉し。スプーンで茶漉しを軽く押しながら余分な乳清(ホエー)を下の紙コップに落としたら出来上がり。できたての自作チーズはカッテージチーズのよう。カレーやサラダのトッピングに使えそう。ちなみに残った乳清はそのまま飲むと酸っぱいので、サラダ油や塩・胡椒などを加えてドレッシングに活用するのがオススメとのことだった。
約1時間の見学時間はあっという間。見学を通して、普段何気なく飲んでいる牛乳にも様々なこだわりや工夫が詰まっているのだと実感した。今度は子ども連れで行ってみたい。