PC市場に関するもう1つの話題は、シェアに関するものだ。少し前までの世界のPC市場といえば、トップの定番はDellとHewlett-Packard (HP)の2社だった、ところが米IDCが示す最新の2010年第1四半期のPC出荷台数調査によれば、HPが19.7%でトップ、2位はAcerの13.6%、3位にはDellが13.3%の僅差でつけている。
ところがIDCの発表から1カ月後、米Gartnerが発表した最新データによれば、ノートPC出荷台数におけるHPのシェアは19.2%、Acerは18.5%、Dellは11.5%と順位こそ同じものの、HPとAcerが僅差で迫っていることがわかる。このようにAcerとHPの逆転も時間の問題となっている。
Acer会長Wang氏の発言は、こうした状況の中で出てきたものだ。米Wall Street Journalによれば、先日開催されたAcerの株主らとの会合の中でWang氏は「欧州や中国における経済懸念にも関わらず、今年中にノートPC出荷台数で世界1位の座を奪取する」との趣旨の発言を行ったという。
同社は、Androidベースのスマートフォン開発も積極的に進めており、今後大きく成長するモバイルPCやモバイルデバイス市場での覇権を握ることを目標に置いている。Acer創業者Stan Shih氏が「米系PCメーカーは20年内に消滅する」と発言したことが以前に話題となったが、台湾や中国メーカーがPCやモバイル市場を本当の意味で席巻する日も近いのかもしれない。