この5月28日より国内出荷がスタートしたiPadは、タッチ操作中心のユーザーインタフェースと高解像度ディスプレイを備えたタブレット端末で、電子書籍に対応しているのが特長のひとつになっている。内蔵ストレージの容量も大きく、一度に大量のデジタルコンテンツを持ち運んで出先で気軽に閲覧できる。
アメリカでは、iPadの発売と同時に電子書籍リーダーアプリ「iBooks」の登場とともに電子書籍のオンラインストア「iBookstore」がオープンし、端末上から直接電子書籍をダウンロード購入できるようになった。しかし、日本ではさまざまな事情から同ストアでの有料書籍の販売は見送られており、今のところ著作権保護期間が切れた無料の小説やエッセイがダウンロードできるだけである(そのほとんどが英語などの外国語だ)。
そこで活躍するのが、ドキュメントスキャナ「ScanSnap」である。しかもこの8日には、次のバージョンアップでiBooksでPDFが扱えるようになると発表され、ScanSnapの重要度がより高まることとなった。ScanSnapがあれば、会議の資料や打ち合わせ時のメモ、企画書、赤入れ原稿など、さまざまな種類の書類を簡単に電子化することができる。裁断機があれば、製本された小冊子などでも、あっという間にPDFファイルにして保存できる。ちまたでは、このように自分で電子化することを「自炊」と呼ぶようで、iPadの発売によって自炊派が急増しているとのことである(ただし、新聞/雑誌/書籍を含めた著作物は、個人的/家庭内など限られた範囲内で使用することを目的とする場合を除き、権利者に無断でスキャンすることは法律で禁じられている点に注意してほしい。あくまで私的利用の範囲内での利用をお願いしたい)。